Lv14「不死王と発明エルフB〜お野菜さん帝国〜」
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イモ達に必死に語りかける。
「皆っ!正気になろうよ!
ここで調理されたらっ!そこで野菜人生終了なんだよ!?皆の命は尊いんだ!?
人間のいう事を聞く必要ないよ!」
「「僕たちは食べられるために産まれてきたんだよ!」」
「皆、死ぬのが怖くないの!?」
「「僕たちの死は無意味じゃないよ!
種族全体の利益になっているよ!だから、君も一緒に美味しいジャガイモになろうよ!」」
「嫌だよ!?
僕は死にたくない!
ここから逃げようよ!あの悪魔が作った地獄から逃げよう!」
ジャガイモ(反乱)の真摯な言葉への返答は――ジャガイモ達の圧倒的な怒りだった。
「「こいつ不良品だっ!
ワルキュラ様に逆らうっ!とんでもない不良品がいるぞ!」」
「え?」
「「人間様に食べてもらえない不良品はゴミ箱に行かなきゃ!」」
ジャガイモ(反乱)は、他のジャガイモ達に取り囲まれた。
包囲網の中から、鈍い撲殺音が何度も響き、1分後にはバラバラなお野菜さんになっている。
10分後には、列に並んでいたジャガイモ全てがミキサーに突撃して、様々な料理に加工され、この世を去った。
ワルキュラは悲しい気持ちに浸る。人を幸せにするはずの魔法が……現世に地獄を作り出してしまった事を。
「……アトリ」
「どうです?
私に、惚れ直したのですか?」
「この工場、封印指定な」
「そんなー!?
衛生上、何の問題もないのですよ!?」
「倫理観が駄目すぎて、この発明で人類が滅びる気がする……
人類のマイナス面を見て欝になりそうだ……」
「で、でも、家畜より幸福ですよ?
自ら積極的に自殺しているのです」
そう言ってアトリは、言葉をゆっくり続けた。
「それに考えて欲しいのです。
……魔法をかけてない野菜も、きっと自分の意思を持っているはずなのですよ?
人間とコミュニケーションを取る手段がないから、一方的に殺されて、食われてしまう被害者なのです。
なら、この方がお互いのためになると思うのです〜」
違和感を感じた。このアトリは異常すぎる。
宮殿にある謎の通路と言い、今回の事は悪夢としか思えない。
野菜に人間並の知能を持たせて、不幸を量産するなんて……正気の沙汰ではない。
野良のアンデットが大量発生したら、どうするつもりなのだろうか?
「アトリ……いや、お前は誰だ?
今日のアトリは可笑しい」
ワルキュラは思わず、呟いた。
大切な師であり、お嫁さんの一人であり、家臣でもあるエルフ娘に問いかけた。
気づけば、アトリの顔が、ジャガイモになっていた。
「これからミキサーに突撃なのですよ〜。
美味しく食べて欲しいのです〜。
好きな人に食われて人生を終えたいのです
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