Lv13「不死王と発明エルフA〜え?キャベツ?〜」
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キャベツを土に返す命令を下した後、ワルキュラは皇后のルビーとイチャイチャして英気を養った。
愛があれば、骸骨は生きていける。
おかげで、罪のないキャベツを、問答無用で処分した罪悪感を忘れられそう――
「報告するのを忘れていた発明があるのです〜」
英気を養って宮殿に戻った途端、エルフ娘がやってきた。
魔法開発を担当するアトリだ。緑色の妖精みたいなドレスを着ている。
ワルキュラは、内心、戦慄しながら問い返す。
「ア、アトリ師匠……な、何の発明を忘れていたんだ……?」
「説明するより、宮殿の裏庭に行って見た方が、分かりやすい発明なのです。
こっちに来て欲しいのですよ〜」
そう言って、アトリは通路を歩く。ワルキュラもその後を追い、宮殿の裏側へと向かった。
裏玄関を出ると――その先には広大な庭があり、その一角に小さなキャベツ畑がある。
緑色の葉っぱが美しい。帝国中に流通しているキャベツとよく似ていた。
「ふむ……キャベツを発明したというオチか?」
「よく分かったのです〜。
私が魔法を使って、いっぱいいっぱい改良した超特製キャベツなのですよ〜。
とっても美味しくてデリシャスなのです〜」
ワルキュラ「なるほど、魔法で味を改良して商品価値を高めたのか。
さすがは、アトリ師匠だな……」
「いえいえ、それだけじゃないのです。
あのキャベツを、よぉーく見て欲しいのです〜」
アトリの美しい手が、キャベツを指し示す。
この時――ようやく違和感に気づいた。
裏庭は狭いとはいえ、大量の草木が植えてある。
なのに、虫の存在感がほとんどない。
辛うじて、蟻の行列が存在感を放っているだけだ。
蟻の行き先は勿論――生命力に満ち溢れたキャベツさん。甘い匂いをばら撒いて、虫を誘導している。
「グルドウガァァァァ!!」
「ホンギャァァァァァァ!ホンギャァァァァ!!」
キャベツから、無数の触手が生えて、蟻をバリッ!ボリッ!と食べていた。
ワルキュラは口を半開きにして、ポカーンと呆然する。
なにあれ、キャベツ?
いや、キャベツの姿をしたモンスターだと、理解せざる負えなかった。
こんなクリーチャーを作り出した張本人なエルフ娘は、自身の発明を見て誇らしげに、豊かな胸を反らして――
「私の作ったキャベツにはっ!
なんとっ!害虫を自分で食べて栄養にする機能があるのです!
水が足りない時は、自力で歩いて川まで行ってくれるから、低コストで量産できて最強なのです〜!」
「……が、害虫の定義は?」
「近づいてくる小さな生き物なら、何でも食べるのですよ?」
「こんなものを流通させる気だったのか!?」
「しかもっ!なぜかっ!あのキャベツは野生動物に荒らされないのですよ!
だから
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