Lv11「不死王、真昼間の夜の墓地を彷徨う」
[3/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
「なるほど」
「ホラー映画はいいぞ?
内容は一度覚えたら、二度見ようという気はなくなるが、恐怖で震える嫁に抱きつかれながら、暗い映画館でイチャイチャできて最高なのだ」
「ホラー映画の使い方が間違っているような……?」
「とりあえず、さっさと映画を撮影するぞ。
昼間の内に撮影しないと、夜は公務で忙しいからな」
「なぜ、昼に撮影しているかと思ったら、そういう伏線があったんですか!?」
「さぁ早く、夜だと思い込め、映像が真昼間だが、たまには、こういうホラー映画があっても良いだろう」
「わ、わぁー、怖いな〜。
この廃屋敷、もうボロボロで怖いー。
錆びた鉄扉を開けたら、中にゾンビがたくさんいるよぉー」
「駄目だ!
ホラー物は、扉を開けてもっ!その先には何もなかった!突然っ!後ろから奇襲攻撃された!という展開の方が観客に受けるのだ!
何もないからこそ、想像力が刺激されて盛り上がり、突然の奇襲攻撃でドキドキハラハラするのだ!」
「えと、どういう方向からゾンビが来るという設定なんですか……?」
「テレビの中から出てくるのはどうだろうか?」
「色々と駄目ですよ!?
なんか、有名な映画で既にやっている気がします!」
「そうか……なら、背後からゾンビが襲いかかってくる内容はどうだろうか?」
「背後の空間には、私を追いかけてくる設定のゾンビ犬がいる事を忘れてますよ?!ワルキュラ様!」
「なら、ゾンビ犬の設定は無かった事にしよう、そうしよう。
さぁ、頑張れキーニャン。背後から腐ったゾンビさんが襲いかかってくるぞ。
疫病の原因になって、汚くてバッチィ死体が動いているぞ、そう思い込むのだ」
「は、はい、演技やりますね。
わー、扉を開けた先に、ゾンビがいると思ったら、何もいなかった〜。怖いな〜。
どこにゾンビが隠れているんだろぉ〜。
ロッカーかなぁ?トイレかなぁ?怖いよぉ……
もっふぅ……こんな生活もうやだぁ……。
背後から、奇襲攻撃してきたゾンビの皆さんが、笑ってるよぉ……」
ゾンビだらけの廃屋敷設定の、喫茶店の客達が怪訝そうな顔で、キーニャンを見ている。
とっても哀れな狐娘を見て、同情していた。
「なんて、アホっぽくて可哀想な狐娘なんだ」
「きっと、AVの撮影よ……貧乏って不幸だわ……」
「お捻りあげなきゃ……!」
「尻尾をモフモフしたい」
喫茶店を出たワルキュラは、人気のない空き地へと向かった。
最初から、そこで撮影やろうよ!ワルキュラ様!とキーニャンは思ったが、後少しの辛抱だから黙り込む。
「よろしい!怖くはなかったが最高に可愛かったぞ!
次で最後だ!
ホラー物の終盤といえばっ!肉体的恐怖がテン
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ