Lv11「不死王、真昼間の夜の墓地を彷徨う」
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いんですか!?
道が分からずに遭難しちゃいますよ!?」
「大丈夫だ。今は昼間だから遭難する事もない」
「色々と台無しだぁー!?」
「今日の俺は、映画監督としてビシッ!バシッ!とキャラ崩壊するぞ!」
「キャ、キャラ崩壊……?
は、はい、分かりました。
たくさん人が居る大通りだけど、ここを夜の墓地だと思えば良いんですね……。
もうやだ……お家帰りたい……もっふぅ……。
でも、真っ暗闇で何も見えないよぉ……。なんで、こんなに暗い日に外出したんだろう……
それ以前に、道どころか、人生に迷って苦しいよ……。
どうして独裁者の秘書になったんだろう……わたし……」
真っ暗闇な昼の大通りで彷徨う狐娘。(誤字にあらず)
太陽が輝いているが。真っ暗闇で何も見えない空間の中で、彼女は一人孤独に人生を迷っている。
通りかかった通行人達が、キーニャンを見て同情した。
「あの狐娘、可哀想……きっと暑すぎて気が狂ったんだ……」
「お捻りあげようぜ……家が貧乏なんだよ」
「ちゃんと、前を向いて生きるんだぞ……」
「モッフモッフしたい」
ビデオカメラという道具を知らない連中ばっかりだった。
「もっふぅ……怖いよぉ……恥ずかしいよぉ……。
ワルキュラ様にツッコミ入れている時点で、私もキャラ崩壊しているよぉ……」
精神的恐怖を見事に演出したキーニャン。
彼女は涙目になりながら、ワルキュラと一緒に、次の舞台へと向かった。
ワルキュラは、ビデオカメラを片手に、大変満足している白い骸骨顔だ。
「よろしい!
キーニャンの可愛さのおかげで、俺の創造意欲が掻き立てられた!
次は未知の恐怖を演出するぞ!人は見えない者や、知らないナニカを見て、恐怖を感じる生き物なのだ!
ホラー映画の基礎中の基礎だな!」
「も、もっふぅ……また恥ずかしい目に合いそう……」
「キーニャンっ!
あの謎の廃屋敷の扉を開けるのだ!ゾンビや、ゾンビ犬がウヨウヨしてそうな洋館設定で頼む!
脚本は、複数のゾンビ犬に、キーニャンが追いかけられた末に、ここにたどり着いた感じだ!」
「あのぉ……あそこは、繁盛しているお洒落な喫茶店の扉ですよ?
さすがに、あそこで演技するのは恥ずかしいです……。ひょっとしたら友達がいるかもしれませんし……」
「廃屋敷という設定にしないと、盛り上がらないだろう?
ホラー映画の舞台は、廃屋が多いのだ。
ボロボロの建物の中を探索して、一つ一つのヒントを手がかりに、化物の正体を探し出すという展開も、なかなかに人気だぞ」
「……ホラー映画に詳しいんですね、ワルキュラ様」
「うむ、毎年、嫁と一緒にお化け屋敷に行ってるから、自然と詳しくなるのだ」
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