Lv2「不死王、巨乳狐娘と同棲生活する」
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ら市場が混乱するから黄金を作るなと言われたが、たまには良いだろう」
「もっふふ〜」
死の支配者の発言を冗談だと判断したキーニャンは、とってもゆっくりとした気持ちになれた。
今までの会話で、ワルキュラが意外と話がわかる人かな?と思ったから――最大の疑問を聞いてみようと――
「あの、ワルキュラ様?
失礼かもしれませんが……どうして、この学校に転校なされたのですか……?」
ふと、知的好奇心は、狐娘を殺すという諺が、彼女の脳裏に思い浮かぶ。
場の雰囲気がガラリッと変わった。空気は泥のように重く冷たくなって、彼女にのしかかってくる。
「うむ……俺が転校した理由か。
そんなに聞きたいというのか?」
「い、いえ、話したくないのなら、別に話さなくて良いで――」
「……あれは昨日の事だ。
俺は、可愛い嫁と……喧嘩したのだ」
「も、もっふぅ……!?」
宗主国最大の国家機密を聞かされている。そんな気持ちに、キーニャンはなった。
この場にいれば、もう後戻りできない。
他人にこの事を話せば、きっと、口を封じられると……一瞬で理解できてしまう
「喧嘩の理由、それは……パルメ・トンカツ定食に行ったときの事だ……。
そこは美味しいトンカツを出す事で有名で、常に行列ができる人気の店……。
だが、嫁は……嫁はっ……!トンカツから、大きな衣を外してから、中の豚肉だけを食べていたのだっ……!
俺はそれが許せなかったっ……!
トンカツは、カラッ!と揚げた衣と一緒に食べるから、トンカツなのであり、嫁の食べるトンカツはトンカツではない!
それが許せないから……俺はここに1年間、留学する事にしたんだ、キーニャン」
「も、もっふぅ……?」
骸骨なのに、食べ物を食べるの!?と、キーニャンは驚愕した。
内容は、とてもいい加減なネタだったが、恐怖たっぷりに聞いていた彼女には、国家が秘匿するべき、最高の秘密にしか見えない。
それ以前に、全く話に共感ができなかった。
トンカツの食べ方は、人それぞれだろ的な意味で。
確かに、トンカツの衣を外して、中身だけを食べるのは可笑しいかもしれないが、ダイエット中の女性なら、そういう事をする可能性がある。
衣はカロリーたっぷりだし。太るのは誰だって嫌だ。
(ワルキュラ様と価値観違い過ぎて、辛い……。
まだ、スケベーでエッチィ男の方がマシなような……?
やっぱり独裁者って、とんでもないキチガイ揃い……?
ワルキュラ様の世話とか、生理的に無理かも……)
たくさん金は貰えても、相手は大国の独裁者。しかも、アンデッド。
違う価値観と価値観は対立する点を考えると、キーニャンは明日が心配になる。
緊張する時間が長く続きすぎて、彼女の集中はこれ以上続きそうにない。
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