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独善者
第三章

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「清教においてどうか」
「そう考えて、ですか」
「国王を処刑される」
「そうされますか」
「そうする、では議会での審議を期待する」
 期待すると言っても結論は出ていた。
「ではな」
「わかりました、では」
「その様に」
 流石に戸惑う者がいた、しかし。
 クロムウェルの権勢は揺るがず議会でも議論は紛糾こそしたが彼の言葉通りの決定を下した。こうして国王は処刑され。
 クロムウェルの権勢はさらに高まりその議会も解散させ。
 彼の思うままの政策を次から次にだった、反対意見が最早言う者がいないこともよいこととして推し進めていった。
「スポーツは禁止か」
「トマトを口にすることすらだ」
「あまりにも日常の生活に厳しい」
「これではがんじがらめだ」
「窮屈に過ぎる」
「しかしだ」
 その政策に反発を覚えていてもだった。
「我々はもう止められない」
「あの方をな」
「あれでは国王以上だ」
「国王以上に権限が強い」
「絶対王政なんてものではない」
「独善が通ってしまっている」
 クロムウェルのそれがだ。
「まさにな」
「もう止められないぞ」
「あの方が亡くなるまでだ」
「どうにもならなくなった」
「国王の絶対王政を止めるつもりがだ」
「国王以上の独裁を生んでしまった」
「独善が支配する様になってしまったぞ」
 ここで気付いたのだ、彼等も。
 そしてだ、誰もが言った。
「迂闊だった」
「彼に頼り過ぎた」
「戦争も政治もな」
「そして権限を与えるとだ」
「与え過ぎた」
 権限、それをだ。
「反対派を抑え粛清して絶対者になった」
「そのうえで国王以上の存在になってしまった」
「法律すら無視出来るまでにな」
 国王の処刑、法律になかったそれすらだ。この国には成文法はなく慣習法だけだがそれでもないのは事実である。
「国王の後は独善か」
「絶対王政ではなく」
「一体どうすればいいのだ」
「護国卿というがだ」
 クロムウェルは自らは王ではないと言い王権を否定してこう名乗っている、しかしその護国卿がというのだ。
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