第四章
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「天使のエンブレム描いたからな」
「機首にですね」
「あれのお陰もありますかね」
「だから俺達助かってるんですね」
「天使の加護の分だけ」
「そうだよ、やっぱり天使様々だよ」
それこそというのだ。
「こうなったら最後まで守ってもらおうな」
「ええ、あと少しですね」
「ドイツも終わりです」
「ベルリンが陥落するその時まで」
「天使様にお願いしますか」
搭乗員達も笑顔で言う、皆天使の加護のお陰だと思っていた。そしてだった。
彼等はベルリンの陥落が近付く中ドイツ本土への爆撃を続けていた、そして。
この日の出撃の時にだ、キートン達出撃する者達は基地の司令に言われた。
「もうすぐソ連軍がベルリンに突入するそうだ」
「いよいよですか」
「じゃあもうすぐですね」
「俺達も出撃終わりですね」
「終戦ですね」
「そうだ、君達の爆撃もだ」
それ自体もというのだ。
「とりあえずこれで最後の予定だ」
「ですか、じゃあですね」
「今回出撃すれば終わりですね」
「もうドイツまで爆撃に行かなくていいですね」
「これで」
「今回出撃してだ」
そのうえでというのだ。
「皆生きて帰ってこい、いいな」
「はい、絶対に帰ってきます」
「もう戦闘機も高射砲も殆どないですし」
「こっちには護衛の戦闘機もいます」
「皆帰ってきますよ」
「帰ったら乾杯だ」
こうも言った司令だった。
「いいな」
「はい、そうしてきます」
「全員で生きて帰ってきます」
「何としても」
誰もが意気込んで言う、そしてだった。
それぞれのBー17に乗り込む、それはキートン達も同じだった。キートンは操縦席に座って隣に座ったブルーに言った。
「最後だからな」
「はい、それこそ全員で帰りましょう」
「ドイツ機はもう殆どいないんだ」
「いても戦闘機がついてきてくれますし」
その護衛の戦闘機達である。
「高射砲も殆どいない」
「後はエンジントラブルだけだ」
「本当にそれだけですね」
「ならだ、いいな」
「はい、油断はしないですが」
「生きて帰るつもりでな」
「行きましょう」
ブルーは笑顔で応えた、そしてだった。
彼等の乗機は空に飛び立った、そのうえで。
イギリスからドイツに向かった、その途中は何もなく。
ドイツ上空、その現在の占領されていない地域の上空に来てもだった。ドイツ機は来なかった。
「来ませんね」
「東が相当だからな」
「ああ、ソ連軍ですね」
「そっちにいってるんだろうな」
「もう東プロイセン取られてるんですよね」
ブルーはドイツの事情を口にした、周りはBー17ばかりで上には護衛戦闘機のPー51ムスタングがかなりいる。
「連中は」
「ああ、それでベルリンにもな」
「本当にで
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