第二章
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そのうえでだ、玲旺はまた言った。
「こうして二人はな」
「もうないか」
「学部が変わるからな」
「そう思うと寂しいな」
「まあまた一緒に会ったらな」
「jこうして一緒に食うか」
「そうしようか」
こうしたことを話しながらだ、二人で牛丼を食べた。
そしてそれぞれの家に帰った、卒業式前に行った最後の吉野家だった。
そしてその運命の日だ、二人は卒業式を終えてだ。
解散となってからだ、二人で共にまだ肌寒い初春の学園を去ったうえでだ。ここでも二人で話したのだった。
「卒業したな」
「遂にな」
玲旺が琢矢に応える、二人はその日差しの中を歩いている。
そしてだ、今度は玲旺が言った。
「俺明日からバイトだよ」
「何処でだ?」
「駅前のカラオケボックスでな」
「あそこでバイトか」
「大学に入ってもな」
それからもというのだ。
「あそこで働くな」
「そうか、バイトしながらか」
「大学に通うな」
「それいいな」
「御前はどうするんだ?」
「俺か、俺はな」
琢矢は玲旺の問いにすぐに答えた。
「北朝鮮に旅行行って来る」
「嘘だろ」
「あんなところ行ったら帰られるか」
生きて、というのだ。
「二度とな」
「そうだな、人類最後の秘境だからな」
「滅多に行けないしな」
「行ってもな」
「帰られるかどうかわからないからな」
そうした場所だからというのだ。
「そもそもツアーとかあるのか?」
「鳥取の砂丘で工作員が組んでるだろ」
「拉致か」
「それでな」
冗談でこう話した、しかし。
琢矢は実際にどうするのかもだ、玲旺にしっかりと話した。
「俺もアルバイトだよ」
「そうか」
「ああ、スーパーでな」
そこでというのだ。
「俺もアルバイトだよ」
「働くんだな」
「金稼ぐさ」
アルバイトをしてというのだ。
「御前と同じだよ」
「働く場所は違ってもな」
「ああ、やることはな」
それ自体はというのだ。
「一緒だよ」
「そうなんだな」
「それで入学してもな」
琢矢もこのことは同じだった。
「そこでアルバイトだよ」
「サークル入るか?」
「入ってから考えるさ」
そちらはというのだ。
「ただ、アルバイト優先だよ」
「俺と一緒だな」
「そうだな」
まさにとだ、琢矢は玲旺に応えた。
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