暁 〜小説投稿サイト〜
人の為に
第六章

[8]前話 [2]次話
「そうしたものにね」
「では」
「一ついい団体を知っているから」
「彼にですね」
「その団体を紹介しよう」
「どういった団体ですか?」 
 その団体についてだ、すぐに質問が来た。
「一体」
「うん、カトリックの教義に基づいたボランティア団体で」
「カトリックですか」
「そう、責任者はダブリンの大司教さんだよ」
「ではバチカンともですね」
「関わりの深い」
「バチカンが認めてくれているね」
 まさにというのだ。
「確かな団体だよ」
「バチカンが認めているなら」
「大丈夫ですね」
「そうした団体なら」
「間違いがありませんね」
「うん、バチカンならね」
 バチカンへの絶対の信頼感もあってだ、教授は言った。
「大丈夫だね」
「はい、そうですね」
「中世のバチカンと違いますから」
「今のバチカンが認めてくれている団体なら」
「問題ありませんね」
「団体の現状をあらためて調べてから」
 そのうえでとだ、教授はさらに話した。
「彼に紹介しよう」
「そしてその団体で、ですね」
「働いてもらう」
「そうしてもらいますか」
「是非ね」
 こうしてだ、教授は団体の現状を調べてから自分でもいいと認めてからコーネルにその団体を紹介した。するとコーネルは在学中から団体に参加してだった。
 活発に働きだした、それは団体の責任者の大司教が見てもだった。
「素晴らしい青年だね」
「はい、そうですね」
 教授が司教に応えた、紹介した彼自身が。
「彼は立派な人物です」
「あれだけ見事な青年はね」
「大司教もですね」
「はじめて見たよ」 
 それこそとだ、共に食事をしつつ話す。昼食はかなり質素であるがアイルランド独特の料理ばかりである。
「あれだけ立派な青年は」
「そうですか」
「だからね」
 それ故にというのだ。
「彼には理事の一人になってもらおうか」
「まだ学生ですが」
「うん、だから大学を出たらね」 
 それからというのだ。
「給料は少ないけれど私が仕事を知ってるから」
「彼にはそこで働いてもらいながら」
「理事を務めてもらいたいね」
「では」
「彼は理事だよ」
 大学を卒業すればというのだ。
「そうなってもらうよ」
「わかりました、それでは」
「その様にね」
 実際にだ、コーネルは卒業すると大司教が推薦してくれた教会勤務を行いながらだった、団体の理事になった。そして人の為に働き続け尊敬を集めた。
 ライスはだ、どうだったかというと。
 大学を優秀な成績で卒業し弁護士になりだ、豊富な法知識と卓越した弁舌で忽ちのうちに売れっ子の弁護士になった。
 個人事務所も持ち地位も報酬もあった、だが。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ