第三章
[8]前話
「寒くなって」
「それで終わったのね」
「そうだったと思うわ」
「自然とね」
「一言で終わったわ」
そのさよならという言葉でだ。
「今話した通りね」
「そうね」
「暫く一人よ」
静かに笑ってだ、私は友達に行った。
「寒いままよ」
「また熱くなるわよ」
「そうした風になるわね」
「新しい人を見付けてね」
「そうなるようにするわ」
「私もそろそろね」
友達も笑って言ってきた。
「想う人が出来たから」
「あら、そうなのね」
「だから貴女もね」
「わかったわ、落ち着いてるから」
気持ちはだ、寒い中でも至ってそうなっている。
「だからね」
「これでね」
「よし、それなら」
「今夜は飲みましょう」
友達から言って来た。
「お酒も食べるものもね」
「今はお鍋食べてるし」
鶏の水炊きだ、それが美味しいお店に彼女を誘って二人で向かい合って座ってお座敷の席で食べているのだ。
「焼酎を飲んでるから」
「二人でじっくりとね」
「あったまるべきね」
「そうしましょう、彼にはさよならと言ったけれど」
「ええ、貴女にはね」
そのさよならという言葉はだ。
「言わないわ」
「それはそうした相手に言う言葉ね」
「そうね、友達には言わないわね」
「友達に言う言葉はね」
「これね」
私は彼女にくすりと笑って言った。
「またね」
「ええ、今日もそう言ってね」
「また会いましょう」
こう話してだった、私達はこの日二人で心ゆくまで飲んで食べてだった、実際にまたねと言って終わった。そしてまた会うことを約束した。今度はお互いに出来れば暖かい状況で会おうとも言い合って。
さよならね 完
2016・1・25
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