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銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第百七十一話 内戦の始まり
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帝国暦 487年 12月 1日  オーディン 宇宙艦隊司令部  ナイトハルト・ミュラー


広間に各艦隊司令官が集まっている。これから出陣式が行なわれる。出陣式といってもエーリッヒの檄とワインによる戦勝の前祝だ。エーリッヒは嫌がっているだろう。そういうのは嫌いだから。俺たちの後ろには女性下士官たちが控えている、ワインとグラスを持って。

時間通りエーリッヒが現れ俺達の正面に立った。俺達の敬礼に答礼する、微かにマントが揺らめいた。
「皇帝陛下の命により、これより反乱を鎮圧します」
「……」

「敵は大軍ですが烏合の衆です。落ち着いて戦えば必ず勝てるでしょう。かねての計画に従い、総力を持って反乱を鎮圧します。新しい時代を作るために」
新しい時代、その言葉が俺を熱くさせる。俺だけではないだろう、皆同じ気持ちのはずだ。

そしてエーリッヒが後方に控える女性下士官たちに頷く。それを見た女性下士官たちがワインを配り始めた。エーリッヒは全員にワインが配られたのを確認すると微かに頷いた。エーリッヒ自身のグラスにはほんの少ししかワインは注がれていない。

「私は卿らの働きに期待します。しかし、それ以上に卿らが誰一人欠けることなく此処に戻ってくることを望みます。卿らの上に大神オーディンの恩寵あらんことを。プロージット!」

「プロージット!」
ワインを飲み干すと慣習に従ってグラスを床に叩きつけた。エーリッヒが少し渋い顔をしてワインを飲み干すのが見えた……。




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