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銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第百七十一話 内戦の始まり
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という事は十分ありえるだろう。帝国が神経質になるのも無理は無い」
「問題は帝国が何処まで踏み込むかでしょう。フェザーンの中立を尊重するとは言っていますが、四個艦隊、四万隻ともなればフェザーンを制圧するのには十分すぎる兵力です」
ネグロポンティの言葉に執務室の空気が重くなった。先程まで有った笑いは既に無い。
「帝国軍の指揮官はどういう人物なのかな、暴発し易い人間なのか……、軍のほうでは調べたかね」
トリューニヒトの言葉にグリーンヒル総参謀長とボロディン本部長が顔を見合わせた。グリーンヒル総参謀長が微かに頷くと話し始めた。
「帝国軍の指揮官はシュムーデ提督、ルックナー提督、リンテレン提督、ルーディッゲ提督の四人です。いずれも十八個有る宇宙艦隊の正規艦隊司令官では有りません」
「つまり、能力的には劣るという事かな、総参謀長」
「そうとも言えません、議長。彼らはヴァレンシュタイン司令長官の下で副司令官、分艦隊司令官を務めた人間達です。無能では務まりませんし、むしろ人的な繋がりは正規艦隊司令官達よりも強いかもしれません」
「やれやれ、簡単に暴発するような人間ではなさそうだが、甘く見る事も出来そうに無いと言うことだな」
ホアンが溜息混じりに呟いた。
「先程ネグロポンティ国防委員長が言ったとおり、帝国側にその意思が無くてもルビンスキーが意地を張れば帝国軍は勢いで突っ走るという事は有り得るだろう」
トリューニヒトの言葉に何人かが同意する言葉を出した。
「それが帝国の狙いだということも有り得るんじゃないか」
「ホアン、その可能性はあまり考えなくても良いだろう。戦線を増やす事は帝国にとってもリスクが大きい」
そう、シトレと話した時、私もホアンと同じ疑問を持った。だがフェザーンの占拠と補給線の確保を四個艦隊で行なうのはどう見ても難しいだろうというのがシトレの意見だった。
万一の場合は同盟との一戦も覚悟しなくてはならない。それを考えると補給線の確保一本に絞ったほうが効果的だ。フェザーンは外交で解決する、そのために同盟に接触してきたのではないか……。シトレの意見は十分に根拠があるだろう、彼をスタッフに招聘したのは間違いではなかった……。
シトレの意見を話すと皆が頷いている。ボロディン、グリーンヒルも頷いている。おそらくシトレは彼らと意見を調整済みなのだろう。だがそれでも良い。自分が納得して受け入れられる物を出してくれるのであれば問題は無い。
「なるほど、だとすると同盟の取るべき道も見えてくる。先ず最優先で考える事はフェザーンを帝国に占拠させない事だろう」
「トリューニヒト議長の仰るとおりですが、具体的には如何しますか」
トリューニヒトはネグロポンティの言葉に軽く頷いた。
「先ず、ルビンスキーから援
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