第一章
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さよならね
付き合って一年経った、それで。
彼の雰囲気が変わってきた、最初は熱かったけれど。
次第のその熱さがなくなってだ、一緒にいてもだった。
隙間を感じだした、そして寒さも。それでだった。
私は親しい友人に休日にだ、喫茶店で一緒にお茶を飲みながら達観した様な、けれどそれ以上にシニカルな笑みで言った。
「今の交際はね」
「そう言うのね」
「一年だけれど」
「もうなのね」
「そう思うわ」
「そろそろっていうのね」
「寒くなってきたから」
一緒にいてもだ。
「だからね」
「終わるっていうのね」
「最初は熱かったけれど」
今思うとその頃が懐かしい、今じゃなくてもう過去になっている。
「今は寒いわ」
「冷えたらね」
「もう終わりでしょ」
「ええ、それはね」
友人の彼女も私に答えてきた。
「確かにそうね」
「貴女もそうしたことあるでしょ」
「あるわ、というか私も二年前にね」
「前の彼氏ね」
「彼とそうなった時がそうだったわ」
「隙間を感じて寒くなって」
「終わったわ」
そうなったというのだ。
「今の貴女みたいにね」
「だからわかるのね」
「よくね、もうね」
それこそと言う彼女だった。
「私もそう思うわ、貴女はそろそろね」
「終わりね」
「未練ある?」
「ないと思うからこうなのよ」
冷たさを感じていてだ、寒さと言ってもいいだろうか。
「ここで普通に話してね」
「それでなのね」
「終わる時を待ってるのよ」
「貴女から終わらせるの?」
友達は私にこう問うてきた。
「そうするの?」
「そうしようかしら」
「彼から言うかも知れないわね」
「そうね、どっちから言ってもね」
先にだ。
「おかしくないわね」
「そんな風なのね」
「そうよ、もうね」
「そうなのね」
「絶対にね、ただ」
「ただ?」
「本当に未練がないって思えると」
終わりが近いことをはっきりと感じながらもだ。
「さばさばしてるわね」
「泣いて嫌って言って終わるのがね」
「それが終わりの形だって思ってたわ」
「こうしたことを経験するまではね」
「実際にそうした幕引きもあると思うけれど」
それでもだった、私達が知っているそれは。
「違うわね」
「静かなものね」
「隙間が出来て寒くなって」
「お互い別れて」
「それで終わりね」
こう二人で話す、そして。
私は友達にだ、紅茶を飲んで言った。
「今度デートするけれど」
「そのデートでなのね」
「何かあったら話すわ」
「そうしてくれるのね」
「ええ、その時はまたここでお話していいかしら」
「聞かせてもらうわ」
友達は微笑んで私に答えてくれた。
「私のこうし
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