暁 〜小説投稿サイト〜
さよならね
第一章
[1/2]

[1] 最後 [2]次話
                 さよならね
 付き合って一年経った、それで。
 彼の雰囲気が変わってきた、最初は熱かったけれど。
 次第のその熱さがなくなってだ、一緒にいてもだった。
 隙間を感じだした、そして寒さも。それでだった。
 私は親しい友人に休日にだ、喫茶店で一緒にお茶を飲みながら達観した様な、けれどそれ以上にシニカルな笑みで言った。
「今の交際はね」
「そう言うのね」
「一年だけれど」
「もうなのね」
「そう思うわ」
「そろそろっていうのね」
「寒くなってきたから」
 一緒にいてもだ。
「だからね」
「終わるっていうのね」
「最初は熱かったけれど」
 今思うとその頃が懐かしい、今じゃなくてもう過去になっている。
「今は寒いわ」
「冷えたらね」
「もう終わりでしょ」
「ええ、それはね」
 友人の彼女も私に答えてきた。
「確かにそうね」
「貴女もそうしたことあるでしょ」
「あるわ、というか私も二年前にね」
「前の彼氏ね」
「彼とそうなった時がそうだったわ」
「隙間を感じて寒くなって」
「終わったわ」
 そうなったというのだ。
「今の貴女みたいにね」
「だからわかるのね」
「よくね、もうね」 
 それこそと言う彼女だった。
「私もそう思うわ、貴女はそろそろね」
「終わりね」
「未練ある?」
「ないと思うからこうなのよ」
 冷たさを感じていてだ、寒さと言ってもいいだろうか。
「ここで普通に話してね」
「それでなのね」
「終わる時を待ってるのよ」
「貴女から終わらせるの?」
 友達は私にこう問うてきた。
「そうするの?」
「そうしようかしら」
「彼から言うかも知れないわね」
「そうね、どっちから言ってもね」
 先にだ。
「おかしくないわね」
「そんな風なのね」
「そうよ、もうね」
「そうなのね」
「絶対にね、ただ」
「ただ?」
「本当に未練がないって思えると」
 終わりが近いことをはっきりと感じながらもだ。
「さばさばしてるわね」
「泣いて嫌って言って終わるのがね」
「それが終わりの形だって思ってたわ」
「こうしたことを経験するまではね」
「実際にそうした幕引きもあると思うけれど」
 それでもだった、私達が知っているそれは。
「違うわね」
「静かなものね」
「隙間が出来て寒くなって」
「お互い別れて」
「それで終わりね」
 こう二人で話す、そして。 
 私は友達にだ、紅茶を飲んで言った。
「今度デートするけれど」
「そのデートでなのね」
「何かあったら話すわ」
「そうしてくれるのね」
「ええ、その時はまたここでお話していいかしら」
「聞かせてもらうわ」
 友達は微笑んで私に答えてくれた。
「私のこうし
[1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ