運とツキ
[4/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
黄色と黒の縞模様の入った着ぐるみを着た人物が飛び込んできた。
(あ・・・でもちょっと可愛いかも)
一瞬トラが視界に入ったことで体をビクッとさせ硬直していたソフィアだったが、中身が人間であることと、本物のトラよりも親しみの持てる容姿になっていたことで、彼女は警戒心を解いていた。
(トラかぁ・・・中身は誰かなぁ?)
目があったため、動きを止めたトラに向かってゆっくりと歩み寄っていくクマ。それに対し、トラの中身の人物はというと・・・
(誰だ?このクマは)
不審な表情で、近寄ってくるクマをじっくりと観察していた。黒く、長い髪をした女性が入っているトラは、向かってきているのか、すれ違おうとしているのか判断しにくい目の前の存在をじっと見つめている。
(クマの割りに小さいな・・・リオンとトビーではないな)
体のシルエットは浮かび上がらないようになっているが、ある程度の動きやすさが求められる構造にしなければならない性質上、中の人物の体にフィットさせる必要がある。そのため、着ぐるみの大きさで中の人物を絞り込むことができる。
(ユウカの可能性もあるが・・・ソフィアだったら逃げなければならない)
ソフィアとユウカの身長は大きくは変わらない。そのため、正体を知らないカグラからすれば、どちらの可能性もあるので下手に動くことはできない。ただ、シェリアやレオンも同じくらいの身長であるため、クマの中身がプレイヤーの二人とは確信を持つことはできないが。
テクテクテク
徐々に近付いていくクマを見て、それが自分目掛けて歩いていることにカグラは気が付いた。なので、彼女はそのクマがここからどういう行動を取るのか、身構えつつ対処できるようにしている。
(向かってくるということは、恐らくこいつはプレイヤー。どっちだ?)
ユウカなら自分がカグラであることを伝え、ソフィアなら彼女に誤回答をさせて回答不能にさせる、またはその場から逃げて答えさせない。このどちらかを選ぶしか彼女にはできないはずだった。だが!!目の前のソフィアにはそれをさせる必要がなかった。なぜなら・・・
ムギュッ
彼女は抱き付けば、着ぐるみの中身を判別することができるのだから。
(!?)
いきなり抱き付かれたことに驚きを隠しきれないカグラはパニックに陥っていた。おまけに、ソフィアがガッチリと抱き付いてしまっているため、引き剥がすことができない。
サスサス
(な!?こいつ・・・お尻を・・・)
さらに、抱き付くだけでは飽き足らず、左手を下げていきお尻を撫で回し始めるクマ。トラがクマにセクハラをされるシュールな光景に、観客たちはどう反応すればいいのか迷っていた。
(むぅ・・・カグラさんぽいけど・・・微妙・・・)
本
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ