運とツキ
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チッ、また誰か来やがった)
ウサギの後ろからノソノソと歩いてくるクマ。もしどちらかがソフィアだった場合、ポイントを与えてしまうのは得策ではないと考え、ユウカは隠れたのだ。
(まずはこの二人のやり取りを見て判断するか)
ゆっくりと歩くウサギとそれに接近するクマ。サルはその様子を伺い、チャンスを待つ。
シリルside
一直線に続いている道をゆっくりと進んでいく。この道はほとんど脇に反れる道がなく、奥の行き止まりまでは歩いていくしかないかな?
(それにしても、誰にも会わないなぁ)
辺りをキョロキョロと見回しながらゆっくりと歩を進めていく。しかし、頭についている長い耳が顔を振る度に揺れているのを感じ、かなり違和感を感じている。
(なんでウサギなのかな?)
個人的にはもっとカッコイイ動物にしてほしい気持ちがあった。ウサギはかわいいけど、なんか女の子っぽいような気もするし、素直に喜べない。
(ハッ!!もしかして・・・)
そんなことを考えていると、ある考えが頭の中を過った。ウサギは動きが早く、跳躍力がある。つまり・・・
(俺ってめちゃくちゃ運動神経いいと思われてるんじゃ!?)
どういう基準で着ぐるみが選ばれたのかはわからないけど、この可能性もないことはないと思う。自分で言うのもなんだけど、動き事態は決して悪くはない。足もそれなりだし、体を動かすのは好きだから、なかなかの身のこなしをしている自負もある。
(ちょ・・・ちょっとやってみようかな)
好奇心が湧いてきたので、その場に立ち止まり軽くジャンプして体をほぐす。心もウサギさんになってるのか、なんだか軽く感じる。
(よし!!)
地面に着地し、大きく一度深呼吸をし、この直線道を走り出そうとした。その瞬間・・・
むぎゅっ
後ろからいきなり何者かに抱き付かれ、胸を揉みしだかれた。
(ぎゃあああああああ!!)
ゲームのルールでサブは言葉を発することができない。そのため、後ろから胸を揉んでくるクマに何も反撃することができず、されるがままでいるしかない。
「見つけた」
(!?)
あまりのクマの慣れた手つきで息が荒くなり始めた頃、そいつは声を発することができないゲームの中で、確かにそう口に出していた。
(こいつ・・・まさか・・・)
サブは声を出すことはできない。しかし、たった二人だけこのゲーム中に声を発することができるメンバーがいる。
「41番、シリル・アデナウアー」
俺のお腹辺りに書いてある数字を読み上げ、名前まで確実に回答してくるクマ。その瞬間、俺はこいつの正体を確信した。
(このクマ・・・絶対ソフィ
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