273部分:第三十八話 牛の角その四
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第三十八話 牛の角その四
「それについては何も」
「心配無用ということですね」
「彼は全てわかっています」
ムウに対して述べた。
「だからです。心配は無用です」
「では。ここで見せてもらいましょう」
ムウはシャカの言葉を聞いて静かに言葉を出した。
「彼の戦いを」
「そうですね」
ムウの今の言葉に頷くアフロディーテだった。
「では皆さん、今は」
「ああ、そうだな」
「頂かせてもらう」
デスマスクとシュラが彼等に対して答えた。
「この薔薇づくめの料理をな」
「遠慮なくもらおう」
「はい、どうか遠慮なく」
アフロディーテもまたそれを勧めるのだった。
「召し上がって下さい」
こうして彼等は今はアフロディーテの作った馳走を食べる。そうしてそこでイランでのアルデバランの戦いを見守るのだった。静かに。
アルデバラン一行はバグダットに進んでいっている。周りにあるのは荒野と畑、それに街。しかしそれのどれもがギリシアのものとは全く違っていた。
「何ていいますかね」
「如何にもイスラムって感じですね」
「そうだな」
アルデバランはニコライとチクの言葉に応えた。彼等はキャンピングカーの席に座っている。そこでコーヒーを飲み菓子を食べながら話をしていた。
「それにこの菓子も」
「何か変わった菓子ですね」
蜜をたっぷりとかけた焼いた三角のドーナツだった。それを食べているのだ。
「何ですか?これ」
「結構美味いですけれど」
「アラビアンナイトにあった菓子だ」
アルデバランはグリーザとブリットの言葉に対して返した。
「それを作ってみた」
「へえ、アルデバラン様料理上手なんですね」
「そういえばシェラスコとか得意でしたよね」
「牛料理は得意だ」
アルデバランは彼等の言葉に応えて述べた。
「他にはな。菓子も得意だ」
「へえ、それでこれですか」
「このドーナツですか」
「そうだ。どうだ」
彼もまたその巨大な手でドーナツを手に取りながらその言葉に応える。応えながらドーナツを食べると蜜の甘みとドーナツの香ばしさが同時に口の中を覆っていく。菓子を食べているということを教えてくれる実に素晴らしい感触を彼も楽しんでいるのだった。
「このドーナツは」
「ええ、いいですね」
「美味いですよ」
青銅の者達はそのドーナツを食べながら笑顔になっている。
「ただ。手を汚すのが問題ですね」
「それでフオークで取ってますけれど」
「そうだな」
だがアルデバランは手に取って食べていた。蜜がその手に付いている。
「しかしだ。そんなこともあろうかと」
「何かあるんですか?」
「それで」
「これを用意しておいた」
そう言って出してきたのはウェットティッシュだった。それを彼等に対して見せ
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