第52話 独りじゃない
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だして、不快感と恐怖から悲鳴を上げた。
「......どうするんすか?」
「......アレヲ少シ起動サセタ......数分デコイツラ諸共爆破させる」
「ありゃー、逃げるんすか?」
「.......」
「まあ、賛成っすけどね。マダラの力に仙術を使う娘も居るんすから」
黒ゼツ達は、壁をすり抜けようとした踵を返した。
サソリは逃げようと力を込めるが、影が固定されてしまい動くことができない。
ば、爆破だと!?
証拠を全て消すつもりか......
サソリの目の前には、木山達に抑えられて足を撃たれたミサカがどうして良いのか分からずに、縋るような目で黒ゼツ達の動向を見ていた。
「待てよ......」
サソリが声を出した。
「ナンダ?」
「ソイツも連れて行けよ......助けて貰っただろうが」
「ククク......何ヲ言ッテイル?ソイツハ使イ捨テダ」
ネバネバした口を大きく裂けてサソリを見下したように言った。
「指示を......ください。ミサカはまだ役に」
懇願するようにミサカが辛うじて声を絞り出した。
「モウ、要ラン......生意気ナ人形風情ガ何ヲ言ウカ」
「ひ、酷い!」
「き、キサマ.......!」
「先輩......次は容赦しないっすからね。次があったらっすけどね」
「行クゾ」
黒ゼツ達が研究室の壁をすり抜けて消えて行った。
残されたのは床に影が固定されたサソリ達が思い付くままに身体を動かそうとするが、この影に掴まれていると強制的にキャパシティダウンが発動するらしく、能力を行使することが出来ない。
「どうするのサソリ!?」
「ぐぐぐ......力が上手く使えん」
「麦野も超無理ですか!?」
「さっきから能力を発動しようとしているわよ」
サソリの眼が写輪眼が解除されて、二次元の影がその場に居る全員に襲い掛かった。
センセー
木山センセー
ふと、木山の耳に懐かしい声が響いてきた。
「君達は!?」
かつての教え子であり、実験の被害者で木山に取って最大の目的とも云える存在が黒い影の中から光る人型となって出現した。
来てくれたんだ木山センセー
信じてた
絶対に来てくれるって信じていたよ
「すまない。遅くなって......あと少しなんだ」
木山は涙を流しながら、謝った。
かつての教え子であり、自分の運命を変えたかけ替えのない子供達。
光る子供の影は、首を横に振った。
謝らなくて良いよ
センセー......待ってて
私達で頑張って、力を抑えるからね
その隙に逃げて......
そう響くと、大きな影の腕が進行を止めて、何かが抵抗するようにジワジワと部屋の中心に収束して行った。
は、早く逃げてセンセー
あまり、抑えられ
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