第52話 独りじゃない
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一応、ヒロインのはずなのに、こんな扱いって......
佐天が涙をダァ〜と流しながら拳を固めてやり場の無い複雑な感情を流した。
「ひ、酷いっす......許さないっす」
トビの窪んだ穴から柱間みたいな魂が抜けていくと、赤く光出した。
すると、出血過多で青い顔をして倒れていたミサカが這いずるように前に進むと銃を手に取ると、佐天に狙いを定めた。
「了解しました。油断......大敵ですとミサカは命令を実行します」
トビから言葉にならない指示を受け取ったミサカは、照準を合わせると弾丸を発射した。
「しまっ!?」
油断していた木山が声を上げて、倒れながら構えているミサカを抑えるとテレスティーナが銃を蹴り飛ばした。
空気を切り裂きながら弾丸が螺旋状に回転しながら佐天の後頭部へ真っ直ぐに進んでいく。
「!?」
サソリも気付いて動こうとするが、チャクラ不足から身体が思うように動かずに膝を付いた。
「佐天!」
サソリがそう声を上げた瞬間に佐天の目元に赤い隈取が出現し、凍らせた右腕で自動的に弾丸を受け止め、掴んだ。
後ろを一回も振り向かずに......
「「!?」」
サソリとトビは信じられないような表情を浮かべた。
「ん?......ええええー!?何であたし弾を受け止めているの!!?」
本人にも無意識の行動だったらしい。
受け止めた氷の拳に変形している弾丸を見ながら驚愕した。
「どう......いうことっ.......すか?」
「佐天......お前何処でそれを?」
「へっ?へっ?って何で御坂さんがあたしを!?」
「悪い、そこは後回しだ」
忍の世界に知らぬ者がいない『仙術』を佐天が発動していた。
明瞭に答えが得られない佐天はどうして良いか分からずに、アタフタと御坂にそっくりな人物とサソリの間をグルグルと見渡した。
すると、アラームが鳴り出して部屋が赤い警告の光が点滅を繰り返し始めた。
「!!?」
地の底から唸り声のような波動が伝わると同時にサソリ達は床へ縫い付けられたかのように固定された。
サソリ達の影が床の上で不気味に一つになり回転している。
「時間稼ギニハナッタナ」
「!?」
床の隙間から黒ゼツが床から染み出すように出てきた。
「ククク、無惨ナ姿ニナッタナトビ」
「酷い拷問を......受けたっす」
チャクラを操り、面だけとなったトビの破片を拾い上げて、身体に取り込んだ。
黒ゼツの背中に折れた幾本の樹木の棘が生えてきた。
更に、黒ゼツが印を結ぶとサソリ達の影が一つの塊となり、腕や足が飛び出した異形の姿に変容した。
「な、何だ!?」
「動けない.......」
「私は元からだけど......ヒヒィィ!」
倒れているフレンダに生のような手が這い回り
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