第52話 独りじゃない
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ばそうとするが
、チャクラ不足のため小さな芽がポツポツ出るだけだった。
「そ.......それだけは......許して欲しいっす。やっと巡り合っ......たうんこなんすから」
「なら、さっさと吐くことね。アンタの知っている事を全部」
面の前でブラブラとソフトクリームを見せ付けた。
「痛た......何この状況?」
全身を鞭で打たれたかのような痛みに悶絶しながら、首だけを回して状況を把握しようとするが、更に訳が分からなくなって大混乱だ。
よく分からない木片が振動して人の言葉を話している
麦野は、当たり前のように木片に話し掛けている
交渉?
ソフトクリームを人質に?
......いや、何故に!?
どゆこと?
「アイス......美味しそう」
「確かに超暑いですね」
呑気に腰を下ろしながら、滝壺が少し落ち着いたらしく声を出して、絹旗が反応した。
「ごめん......何が起きているのか説明をプリーズ」
身体を揺らしながら、一人だけ置いていかれているフレンダは滝のような涙を流した。
「何卒、うんこだけは......オイラはどうなっても」
「地面に投げつけるぞ」
麦野が大きく振りかぶって、ソフトクリームを投げつけようとする。
「イヤァァァ......お許しをぉぉぉぉー!」
すると麦野とトビの間に滝壺がよだれを垂らしながら、ソフトクリームを物欲しそうに眺めていた。
「......たらり」
「どうしたの?」
「食べもの、粗末にするのダメ」
「......そういえば、誰のアイス?」
サソリの身体に包帯を巻き終わった佐天がその言葉に腕を上げた。腕を屈曲させながらの挙手だから答えが曖昧な問題の解答を求められているに近い。
つまり、嫌な予感しかない訳で。
「か、買ったのはあたしだけど」
「......じゃあ、コイツの目の前で食べなさい」
「ふへ!?ここで食べるの?!」
「た、食べる......んすか!出した......のを!?そんな......事が」
新しい発見をしたかのようにトビの破片が飛び上がった気がした。
麦野からソフトクリームを手渡された佐天が、露骨に面の破片を横目に舐め始めようとするが......食べないといけないの?
「うわぁぁぁ......!せ、せめて.......どんな感じでうんこを......捻り出しただけでも」
悲鳴をあげるトビ。
複雑な顔をして舌を引っ込める。
「うぐぐ......あーもー、うんこうんこうるさいなー!食べにくくてしょうがないわ」
手に持っていたソフトクリームを物欲しそうによだれを垂らしている滝壺に渡す。
「あげます!」
「良いの?......ありがとう」
ふわっと笑うと鯉のように大人しそうな顔の割に豪快に丸齧りをして食べていく滝壺。
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