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とある科学の傀儡師(エクスマキナ)
第52話 独りじゃない
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わせた。

二人のやり取りに木山は、仄かに微笑んだ。
残念ながらサソリ君......この子には理屈は通用しないみたいだ
サソリ君のように圧倒的な力を保持し、世界を変える者も居れば、この子のように『想い』だけで変える者もいる

やれやれ......良い仲間を持ったようだな
第三位の御坂美琴といい、友を助けるために私を止めようと命までは張った頭に花を咲かせたあの子も......
優れた人は、無意識的に人が集まる
私も含めてな
落ち着いたら、君にも謝罪し罪を償うつもりだ
しかし、まだ立ち止まる訳にはいかない
何としても手掛かりだけでも......

サソリ達の口論を傍目に聴きながら、麦野達は倒れたフレンダの介抱と破片となった奇妙な面を見下ろした。
「俄かに信じ難いわね......どういう原理で動いているのかしら?」
眼鏡をクイっと上げて、好奇心の塊のような表情でテレスティーナが四つん這いで眺めている。

「さてと......どうして私達を狙ったのか吐いて貰おうかしらね。ここで消しクズに成りたくなかったらね!」
麦野が緑色の光をポツポツと浮かび上がらせると、バラバラになったトビを脅迫するように指を滑らかに動かした。
「だ、誰が......はな......すもんか。悪い......っすが......オイラには......便意も痛みも......感じないから......無駄っすよ」
バラバラにされている時点で人間的な反応がないトビには、麦野も予想の範囲内だった。
「そうみたいね......大丈夫かしらフレンダ?」
仰向けに倒れているフレンダの肩をポンポンと叩いて、気が付かせる。
「ん......ん?!」
微睡みながらフレンダが疑問符を浮かべながら、覗き込んでいる麦野を見上げた。
「む、麦野!?ご、ごめん」
身体を起こそうとしたが、全身から鋭い痛みが生じて全く動く事が不可能だった。
まるで大電流を身体に受けたような痛みだ。
「痛ったぁぁぁい!全然身体が動かないんだけど」
「大丈夫よ!無事で良かったわ」
麦野がフレンダの労を労うとニコリとずり落ちていたベレー帽を正した。
不意の麦野の優しさにフレンダは、目元に涙を溜めて感激した。
「麦野ぉ〜〜!!」
「ちょっと借りるわね」
「へっ?」
動けないで大の字に寝転んでいるフレンダの腕に持っているチョコレート味のソフトクリームを奪い取り、踵を返した。

えっ......?!
なんで私、ソフトクリーム持っている訳?

半分溶けたソフトクリームを片手に麦野が悪魔の笑みを浮かべた。
「コイツがどうなっても良いかしら?」
「なっ!!ちょっ......それは」
「あ、明らかに動揺しているわね」
トビは、面全体を震わせて貴重な研究資料を取り戻そうと樹木を伸
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