003話
[2/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
う。ですが次からはどんな理由があろうとも私への攻撃は試験官への反逆とみなして、即失格とします。よろしいですね?」
「はいはい?」
「おいピエロ野郎、俺を攻撃した理由はなんだ」
シャネルの手に握られているのは4枚のカード、偽者を攻撃する際にヒソカは同じようにシャネルにも攻撃を行っていた。カードをその場で捨てつつ睨み付ける、同時にオーラを発し威嚇も行うがヒソカはそのまま歪んだまま。
「なんとなく面白そうだったから?」
「……なに言っても無駄だな」
肩を思わず竦めつつゴン達の元へと戻ると、サトツがこれから沼を越えていくと宣言した。騙し愛が日常として行われる湿原、気を抜けば惑わせられて命を落とす危険な道。一同は足を踏み出した、ぬかるんだ湿原を踏みしめて進む。霧は、奥へ奥へと行くほどに濃くなっていく、サトツを見失ったら最後追いつくことが出来ないだろう。
「ちくしょう何も見えねえぜ!!」
「五里霧中とはこの事か……」
「レオリオ〜クラピカ〜シャネル〜!」
霧の奥から聞こえてくる陽気なゴンの声、この状況でも声は明るかった。緊張感という物がないというのだろうか。
「キルアが前に来た方が良いってさ!」
「ドアホ〜!行けるもんなら行ってるわい!!!」
「私達に構わず先に行ってくれ!!」
「えっ〜!?何とかならない!?」
「ゴン安心しろ、俺がついてる!お前たちの後をしっかりと行くさ!!」
力強く返事を返す、ゴンは一瞬考えたように間を空けると
「うん、シャネルも気をつけてね!!二人をよろしく〜!!いこっキルア」
「ああ」
と遠ざかっていく声、更に霧は濃くなっていきゴン達の姿は完全に見えなくなった。辛うじて見えるのは前を走っている人間の影のみ。
「これでは何処を走っているのさえ解らないな」
「大丈夫だ、前の影さえ見失なければ……」
「無駄だな、あれは偽者だ。ほら影無くなったぞ?」
「なぁにぃ!?」
眼を凝らしてみれば先程まで会った筈の影が消えている、前を走っていた筈の物は何かによって生み出された偽物、そして目の前に出現したのは人一人はあるかという巨大なイチゴ。
「なんだなんだ!?」
「これは……」
「俺の傍から離れない方が良いぜ、来るぞ」
「うわああああああああ!!?」
周囲から響いてくる悲鳴は霧の中にまぎれている何かの存在を示唆している。クラピカとレオリオは言うとおりにシャネルに更に近づいた。そして霧の奥から顔を覗かせているそれは口に試験者を咥えながらこちらに向かっていた。
「で、デカァ!?」
「こいつらの罠だったと言うわけか!」
その正体はこの湿原に生息するキリヒトノセガメ。背中に生えたヒトニイチゴを使い、騙された人間を捕食する待ち伏せ型の猛獣である。
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ