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俺達は何を求めて迷宮へ赴くのか
外伝 煩雑な日常4連発
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リア』の面々もあまりにヒドイ主神の姿にあっけにとられ、リヴェリアに至っては無表情で辞表を書き始め必死な表情のレフィーヤに止められている。
 アズは決して酒では酔わないが、ロキがいると場酔いしてしまう傾向にある。『向こう側』に居た頃は心を許している相手が碌に居なかった反動なのかもしれない。

 閑話休題、ではオーネストのテーブルに誰がいるのかというと。

「………………むぐむぐむぐむぐむぐ」

 凄い勢いで料理をハムスターのように頬張る金髪金眼の少女――アイズ・ヴァレンシュタインである。

 アイズとオーネストの関係には昔から周囲の憶測が飛び交っている。
 同じ金髪金眼で来歴が不明。行動だけを見ると互いにダンジョンに異常なまでに執着しており、凄腕の戦士であることも共通している。また、二人とも浮世離れした美貌を持っており、その顔立ちも瓜二つとはいかないまでも似てはいた。
 ともすれば周囲が「実は血縁関係なのではないか」と邪推するのは当然の流れであり、更に誰にも物怖じしないアイズがオーネストの前でだけはどこか普段と違う雰囲気を醸していると来れば誤解が生じるのも無理はなかった。

 だが、実際には血縁関係があるかどうかはありえなくはない程度の確率でしかなく、兄妹という線に至ってはオーネスト・ロキ連名で「ありえない」という結論が出ている。つまり、二人が似ているのは他人の空似という奴である。
 ついでに言うとアイズはオーネストに特別な気持ちを抱いているが、それは家族愛とか恋心などの浮ついた想いではなくもっと曖昧で暗いものである。要するに態度が違ったのはアイズが一方的に気まずがっていただけだ。

 なお、無言3号はオーネストとの口論でこの店の名物メイドとなりつつあるリュー・リオンその人である。彼女はいつもオーネストと言い争っているイメージがあるが、どこか純朴そうなアイズを気にしてか今日はただメイドとしての役割を全うしているようだった。

「………追加注文、致しますか?」
「アイズ、まだ食べるか?」
「ううん、腹八分」

 と言いながら3人前は平らげているアイズは、口元にライスの粒が張り付いたまま首を横に振った。まだ飲み込み切れていない食べ物が両頬を膨らませ、普段の大人しいイメージから一転小動物のような愛らしい雰囲気に変貌している。
 彼女は普段あまり表情が顔に現れないが、割と浮き沈みのある性格をしている。なので助けた相手に悲鳴を上げて逃げられれば傷つきもするし、優しくされれば喜びもする。勿論、今のアイズは上機嫌の部類である。

 実はオーネストの席でアズが注文した料理が届くより前に当人がロキと遊び始めたので料理がかなり余っていたのだ。オーネストはそれを全部食べる気など全くなく、偶然居合わせた『ロキ・ファミリア』に押し付けよ
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