外伝 煩雑な日常4連発
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一つ間違っていない夜這い大好き女とか。
「ハァイ、アズー!アタシと一夜のアバンチュールしなぁい?」
アズの寝室にある隠し扉から唐突に現れたキャロラインの第一声がこれである。
その服装は見る人が見れば興奮で眠れなくなるほど大胆で扇情的姿なのだが、生憎とこれから穏やかな睡眠に誘われんとしていたパジャマ姿のアズの心には何一つ響かない。フレイヤを目の前にしても欠片も心が動かなかった仙人が相手では分が悪いというものである。
「俺眠いんだけど」
「なら別に寝てもいいわよ!寝たままの相手とヤるっていうのも背徳的で興奮するしっ!」
「………鎖で踏んじばって外に放り出そうか?」
「緊縛がお好みか・し・ら?」
「……………………」
アズはしみじみと思った。変態とはこんなにも面倒くさい生物なんだなぁ、と。
寝込みを襲われても困るなぁ、と思ったアズは体にかかっていた毛布をどけてこの迷惑な客に真面目に応対することにした。こんな時でも相手を責めずに真っ向から向かい合う姿勢は、ある意味聖人である。
「ま、いいか。ヒマだってんならなんか飲み物出すよ。ホットミルク好き?」
「白濁したものは基本的に何でも好きよ!!」
「ふーん。甘酒とかヨーグルトとかおかゆとか?」
「や、そういう意味と違うんだけど……というかおかゆは飲み物じゃなくない?」
「カレーだって飲み物なんだ。ごはんだって飲み物さ」
「かれえって何よ?魚?というか白濁したものが好きってそういう事じゃないんだけど……」
「そっかーこっちの世界にはカレー普及してないんか。これは明日から暫く類似料理を捜索しないとなぁ。オーネストなら案外なんか知ってるかも……あ、ところでドスケベさんってスパイス系で辛いの大丈夫?」
「アタシが言うのもなんだけど、あんたと喋ってると時々ため息が出るわ……」
キャロラインはしみじみと思った。この世にはこんなにもからかい甲斐のない男がいるのか、と。
………それはそれで落とし甲斐があってイイかも、とも。彼女もなかなかに懲りない人である。
ちなみにドスケベさんというのはアズがキャロラインに付けた仇名であり、その名に至るまでにちょっとした小話があったりするのだが……今回の話とは関係がないので割愛させてもらう。
ミルクを淹れに行くオーネストを尻目に、キャロラインは暇つぶしがてらアズの私物を漁り始めた。男もプライベートも漁る事に躊躇いはないようだが、他人が見れば唯の泥棒である。あわよくば春画の1枚でも出てくれば盛り上がるのだが、生憎と棚の中に仕舞われたアズの私物はどこまでも健全な類の物だった。
魔石やドロップを入れるための年季が入ったバックパックは少しばかり埃を被っている。その近くにあるのは見る人が見れば大枚をはたいてでも欲しがるダ
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