外伝 煩雑な日常4連発
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事の何たるかを叩き込まれたメリージアにとってその食事方法は控えめに見てもクソの類である。
そして、そんなアズを上回るウルトラ問題児がその奥でコップを傾けている。
「で、オーネスト様は夕餉に何を食い散らかすんで?」
「なにも」
「…………は?」
「だから、食うのが億劫だから食わんと言っている。水で十分だ」
自分の胃袋や肉体に対して何の迷いも呵責もなく仙人のような苦行を強いる変態がいた。栄養という概念そのものを覆しかねない革命的な発想だが、やっぱりメリージアから見たらクソの類である。
「………料理は?」
「ヒマなときに、不定期に。あとたまに外食とか、友達に奢って貰ったり?週1度あるかないかってなペースだね」
「オーネスト様、普段も物を口にしていなかったりします?」
「最近あまり食欲がなくてな。3か月中2か月半は水で済ませている」
「へえ。ほお。ふーん。そうかそうかそうですか…………………も少しまともなメシ食いやがれ粗食通り越して貧食の馬鹿共がぁぁぁああああーーーーーーーッ!!!」
――後にも先にもあんなにメリージアにブチギレられたのはあの時だけだった、と後にアズは語る。
その日から三日間、アズとオーネストは胃袋が破裂するのではなかろうかという量の食事を毎日3食取らされて暫くダンジョンに潜れなくなったという。なお、それ以降の二人は比較的規則正しい食生活を送っているが、やっぱり二人ともメリージアの目を盗んで貧食をやっているらしい。
………勿論バレるとメリージアの愛と栄養とボリューム満点の豪勢な食事ラッシュが待っており、お残しの許されない膨大な食糧との持久戦が開始される。
普通に食っていればいいもの、懲りない馬鹿共である。
なお、メリージアが屋敷で食事を作り始めた数か月後にオーネストの食欲不振の原因が味覚障害だったことが発覚し、アズが推定レベル7と目される最大のきっかけとなった『バベルの籠城事件』が勃発していたりするが……連日ダンジョンで暴れまわっていたオーネストがあの食事量のどこから必要カロリーを捻出していたのかは未だに解明されていない。
Bファッションチェックするわよ!
オーネストの屋敷は昔から襲撃者対策用の様々な防犯装置が設置されている。これはオーネストがこしらえたものではなく、元々この屋敷にあったものらしい。とはいってもその性質はブービートラップのような攻撃的なものではなく、むしろ防壁や隠し通路の類が多い。つまり、迂闊に触ったら怪我をするほど危険なものはない。
しかし、隠し通路というのは悪意ある人間に利用されると厄介な場合もある。
例えばヴェルトールに「顔だけ美人の性欲獣」だの「万年発情変態生物」だのと散々な二つ名をつけられ、それが何
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