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俺達は何を求めて迷宮へ赴くのか
外伝 煩雑な日常4連発
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た時には散々手のひらをつつかれ、近所の人懐こいと評判の猫には触った瞬間に引っかかれ、ハムスターに至ってはとうとう触る事すらできずに逃走された。加えて今は『死望忌願』まであるのだから、もう一生動物に好かれそうにない。

「……しかしアレだな。この犬って野良か?オラリオって飼い犬に首輪つける文化とかある?」
「一定以上の大きさの動物を飼う場合はギルドによって目印をつけることが義務付けられている。何も身に着けていないところを見ると、捨て犬か何らかの理由で元の飼い主から離れたか……」

 そう言いながらオーネストは犬に近づいて手を差し出す。

「噛まれるぞー」
「噛んだら殺すだけだ」

 ごく自然な、そしてきっと本気の殺害宣告。
 その一言を聞いた瞬間、犬は突然警戒を解いて忠犬の如くびしりとしたお座りの姿でオーネストを迎え入れる。オーネストは何事もなかったかのように犬の頭を指先で軽く撫でる。

「ふむ、毛並みも肉付きも悪くはないな。人と行動を共にした経験もありそうだ………そういえば『新聞連合』の連中が伝書犬を探してたな。頭はそれなりにいいようだし、暇潰しがてら預けてみるか?」
「…………………」

 オーネストの気まぐれをよそにアズが思い出していたのは、昔に読んだ世紀末漫画での暗殺者の性質の話。剛力で覇道をいく兄に対して虎は死を覚悟して飛び込んだが、弟の際は襲わず大人しくしていた。これは暗殺者としての性質を表す試練であり、静かに敵を屠れる後者こそが暗殺者として優れているということらしい。

(……………俺がラオウタイプなの?どう考えてもオーネストがラオウタイプだよね?暴力万歳世紀末タフボーイだよね?なんでそいつの方が俺より動物に受け入れられるんだよ?)

 なんだろう、ひどく釈然としない胸の突っかかりは。
 犬の首の下まで撫でるオーネストを見ながら、アズは密かにこの親友の矛盾した性質にツッコんだ。




A THE ☆ 壊滅的食生活


「あの、アズ様………」
「ん?なーに?」

 日が暮れてバベルが深く長い影を落とすオラリオのとある屋敷で、自称メイドとなったメリージアは口の端をひくひくさせながら、言葉を続ける。

「さっきからもそもそ食ってるその粗末なジャンクフードが、まさかアズ様の夕餉だなんて言わねーですよね?」
「え、まさにその通りだけど?」
「アタシの記憶が正しければ、朝飯は食ってねぇでしたよね?昼には何を食い漁ったんで?」
「メリージアの言う粗末なジャンクフードことじゃが丸くんだけど?」

 ジャガイモをこねて油で揚げただけで何の栄養バランス的価値も感じられない単なる炭水化物の塊を1日2回、1度に3つ。それがアズの由緒正しい基本的な食事スタイルらしい。数か月に及ぶメイド修行で食
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