270部分:第三十八話 牛の角その一
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第三十八話 牛の角その一
牛の角
アルデバランが出陣した後の聖域では。残った黄金聖闘士達がまた集まりそのうえでテーブルを囲んで座っていた。今度は双魚宮の庭だった。
宮殿のすぐ外に緑の庭がある。そしてその上には様々な色の薔薇達が咲き誇っている。紅もあれば白もあるし紫もある。そして桃もあれば青も黒もある。実に見事な咲き誇りだった。
「で、この薔薇は毒はないんだな?」
「はい」
アフロディーテがデスマスクの言葉に答えていた。彼等は白い円卓を囲みそこにいる。
「この薔薇達にはありません」
「じゃああれか」
デスマスクはその言葉を聞いて述べた。
「あの薔薇はあくまで特別な薔薇なんだな」
「そうです。私の咲かせる馬鹿には二つあります」
こう言うのだった。
「毒のある薔薇とない薔薇がです」
「そうだったのか」
「はい、ですからこの薔薇達は安心して下さい」
ここまで話したうえでの言葉であった。
「安全ですから」
「それはわかった」
シュラもまたその言葉を受けて頷いた。
「ではこの料理にあるものもか」
「はい」
アフロディーテはここでグラスを手に取った。見ればそのグラスには紅のワインがある。そしてその中には白い薔薇の花びらが漂っていた。
「その通りです。薔薇は食べられますが」
「そうだったな」
「この薔薇にも毒はありません」
「それなら心ゆくまで楽しませてもらおう」
シュラのワインにもまた白薔薇が入っていた。そのワインを薔薇ごと飲むのだった。
「ふむ、いい味だ」
「喜んで頂き何よりです」
アフロディーテもまた彼のその飲む姿を見て微笑みを浮かべた。
「他の料理も楽しんで下さい」
「薔薇のサラダに薔薇が飾られたムニエルか」
アイオリアがその薔薇で飾られた料理を見る。サラダやスープには紅の、ムニエルには白の薔薇の花びらがある。やはり食べられるものだ。
「どれも確かによさそうだな」
「そうだな。それにデザートは」
ここでカミュはそのデザートを見る。それは。
「紅の薔薇が入ったプティングか」
「そうです」
デザートはそれなのだった。パンは普通の白いパンであるがやはりそこにも紅や白の薔薇のジャムが添えられていた。やはり薔薇づくしである。
「それもまたお楽しみ下さい」
「中々いい趣向だ」
クールなカミュもそれを見て楽しそうに微笑んでいる。
「楽しめそうだな、今日もな」
「確かにな。いい味だ」
アイオリアは早速サラダを食べていた。緑のレタスに赤いキャベツとラディッツ、そしてそこにアップルと薔薇がある。そこにオリーブのドレッシングをかけているのだ。
「この味は。食べやすいな」
「薔薇は案外癖がないのだな」
ミロもその薔薇を
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