第四章
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「そうした感じの」
「料理ですね」
「羊に乳製品だからね」
「そうなりますね」
「美味しいよ」
羊料理を食べつつだ、ピエールは言った。
「これは」
「はい、本当に」
「パレスチナの料理とはまた違ってね」
「羊料理にしても」
イスラムというと羊料理がメインだが同じ羊料理でもだ」
「違うね」
「その違いがまた」
「いいね」
「そうですね」
フセインも頷く、そして。
二人でベドウィン族の馳走を楽しんだ、それが終わってだった。結婚式となった。ここで青年が二人に言った。
「じゃあ今から」
「結婚式ですね」
「そうですね」
「はい」
そうだというのだ。
「はじまりますので」
「それでは」
ピエールが応え彼はフセインと共に結婚式、ベドウィンのそれに参列することとなった。まずは花嫁の登場だが。
「これは」
「何と」
二人共息を飲んだ、何と出て来たのは。
赤と紫の服、ヴェールのそれには複雑な様々な模様がある。その上にさらに白い布を被っている。アクセサリーはコインや宝石等がネックレスやブレスレットとして飾られ重そうなまでだ。
その見事な服を着た美しい目を持った女だった、父である男が二人に自慢そうな笑顔で語ることはというと。
「うちの娘です」
「そうですね」
「自慢の娘です」
実際に言葉にも出す。
「奇麗な娘でして」
「はい、目を見ますと」
「ヴェールでわかりませんが」
目以外はというのだ。
「顔立ちが凄くいいんです、わしに似て」
「貴方にですか」
「こう言うと女房に自分似だと言われます」
笑ってこうも言うのだった。
「これが」
「そうですか」
「はい、とにかくです」
「自慢の、ですね」
「娘です、それであの服は」
男は自分の娘が着ている服について自分から話した。
「ブルカといいます」
「民族衣装ですね」
「はい、我々の」
ベドウィン達のというのだ。
「そうです、ただ」
「ただとは」
「あの服はうちの部族の服でして」
「部族によって違いますか」
「ブルカも」
「そうなのですね」
「うちの部族はああして」
その赤と紫の実に見事なブルカを指し占めて話すのだった。
「赤と紫で」
「装飾もですね」
「ああした感じです」
銀色に輝くそれを指し示しもした。
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