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聖闘士星矢 黄金の若き戦士達
266部分:第三十七話 砂漠においてその六

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第三十七話 砂漠においてその六

「間も無くです」
「そうか。わかった」
 アルデバランはあらためて彼の言葉に頷いた。
「それではだ。それでまずはバグダットまでだな」
「えっ、首都までですか!?」
「ここから」
 青銅の者達はそれを聞いて皆驚きの声をあげた。
「それはかなり辛いのでは?」
「そうです」
「ここまでバグダットですと」
「かなりの距離がありますが」
 こうそれぞれ言うのであった。
「それでも車ですか」
「それはかなり」
「費用節約だ」
 だがモーゼスはこう言うのだった。
「何なら音速で歩くか?」
「いえ、それはちょっと」
「遠慮するぜ、悪いがな」 
 青銅の者達はモーゼスには比較的身近な言葉だがそれでも言うことは同じだった。
「じゃあやっぱり車か」
「これでバグダットまでか」
「空で行くことも考えたがな」
 ここでアルゲティも言ってきた。
「飛行機かヘリでな。一気に行くこともだ」
「じゃあ何でそれをしなかったんだよ」
「そうだよ、それだったらすぐだったのによ」
「では聞くがだ」
 アルゲティと入れ替わりのようになってまたモーゼスが彼等に告げる。
「空にいる時に敵に襲われたらどうするつもりだ?」
「敵っていうとやっぱり」
「あの連中だよな」
「そうだ、狂闘士だ」
 やはり彼等であった。
「奴等が空から来たらどうする?」
「どうかですか」
「それは」
「そうなったら終わりだな」
 真顔で彼らに対して問うモーゼスだった。
「そうなったらな」
「確かに。そうなったら」
「俺達もとても」
 彼等はそれを聞いて顔を曇らせるのだった。
「その時はな」
「覚悟を決めるしかないよな」
「覚悟を決める前にそういうものには乗らないことだ」
 そしてこう言うモーゼスだった。
「いいな、それでな」
「わかったさ、それじゃあよ」
「ガタゴトと揺られてくか」
「長旅をよ」
「まあ乗り心地は安心しろ」
 アルゲティはここでこんなことも言ってきた。
「今はな。いいな」
「乗り心地はいいのか?」
「そんなに」
「日本車だ」
 それだと青銅の者達に告げるのだった。
「乗り心地はいいぞ」
「おっ、日本車か」
「だったら結構期待できるよな」
「だよな」
 顔を見合わせて言い合う青銅の者達だった。
「日本車だったらな。それでな」
「そうだな。じゃあ辿り着いたのを待ってな」
「行くとするか」
「おそらくバグダットに辿り着くまでに仕掛けてくる」
 アルデバランは敵の動きを既に読んでいた。
「必ずな」
「必ずですか」
「来ない筈がない」
 そしてこうも言うのだった。

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