機動戦艦ナデシコ
1468話
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んな思いで俺に追えと言ってるのか、そしてリョーコが何故走り去ったのかは理解出来た。……出来て、しまった。
「ほら、行ってきなさい。初恋はしっかりと終わらせないと、次の恋に進むまでに時間が掛かるのよ」
「私は……初恋の相手と、その……ええい、ほら、いいからミナトが言ってる通り行ってきなさい!」
「……馬鹿ばっか」
そんな3人に追われるようにしてナデシコ食堂を出る。
そのままナデシコの中をリョーコの姿を探し回ったんだが、どこにも見つからず……結局その姿を見つけたのは格納庫だった。
自分のエステバリスに寄り掛かっているリョーコを見つけると、黙ったまま近づいていく。
そんな俺の足音に気が付いたのだろう。リョーコは視線を上げると俺と視線が合い、そのまま逸らされる。
リョーコの機体の側に立ち、口を開く。
「悪かったな」
「……」
その言葉に帰ってきたのは、無言の沈黙。
黙っているリョーコを見ながら、心を鬼にして言葉を続ける。
「もしお前が本当にシャドウミラーに来たいのなら、それは受け入れてもいい。……けど……俺はお前を戦友として見る事は出来ても、女として見る事は出来ない」
正確には女として見てはいるけど、そういう対象として見る事は出来ないというのが正しいのだろう。
「……何だよ、それ……」
「悪い」
「別に、私は……私は……」
それ以上言葉を発する事が出来ず、黙り込むリョーコ。
そんなリョーコを見ながら、俺はその場を立ち去る。
もし俺がリョーコという女を受け入れるのであれば、この場に残って肩を抱くくらいはするだろう。
だが、俺は今明確にリョーコを振ったのだ。
そんな俺が、これ以上この場にいるというのはどう考えても相応しくない。
正直なところ、リョーコが俺に好意を持っているというのは知っていた。
だがそれは、戦友や友人に対する好意だとばかり思っていた。
……まさか、女が男に向ける好意だとは思わなかった。
そんな後味の悪さを感じながら、俺は格納庫を出ていくのだった。
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