精神の奥底
60 ゼロからの再始動
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っ掛かりを覚えた。
「…さっきとは違って随分とあっさりだな?」
「冷静になって考えてみたら、自分にできることは他に何も無かった。それに…」
「それに?」
「まずは自分から信じてみないと先に進まない。もし信じていれば、助けられるものがあったなら…って後悔しないように」
「賢明な判断だ」
「そう教えてくれた人がいたんですよ」
「…そうか。友人か恩師か、誰だかは知らないが大事にすることだ」
「でも1つ条件が。今回、私が協力したことでWAXAを追い出されたら、マヤと一緒に何処か静かなところで生活できるポストを」
「いいだろう。その点に関しては十分なものを用意しよう」
「刑務所の独房で温かい食事なんてオチはないですよね?」
「フッ、それはキサマら次第だ」
炎山は笹塚に目でコーヒーを持ってくるように指示をした。
そしてカレラ ツインタイムで時間を確認し、ブルースに今まで集めた資料の整理をさせる。
いつもの炎山を知っている者なら不思議と冷静見えて、炎山はリサ同様に落ち着いていないように見える。
それもそのはずで彼が今まで初めて対等に向き合うことができた少年が囚われの身という前代未聞の状況に置かれているのだ。
だがこれはある意味、炎山自身に新しい発見をもたらしたかもしれない。
今まで言われた通りに非情に徹し、任務を遂行してきた自分にも誰かを思いやったりする部分があった。
決して冷血ではなく、暖かい血が通っていたのだと。
「ハイ、コーヒーっす」
「ご苦労」
「うっわ…ミルクも砂糖も入れずに…そんな苦水、よく飲めますね?」
先程までのすれ違っていた空白を埋めていくように2人は会話を始めた。
「キサマだって、さっきまで飲んでいただろうが」
「…苦いけど眠気が覚ませるから」
「あっ、光博士はミルクと砂糖いります?」
「あぁ。じゃあ、ステックシュガー3つ」
「…対して博士は甘党ッスか」
「これを飲み終えたら、移動しよう。ここなら監視されないとはいえ、他のWAXAの職員もいる」
「そう…ですね。ここじゃ、少し目立つ」
リサは胃のあたりを擦りながら、ミルクを口に含んでよく味わってから飲み込んだ。
これが炎山とリサたちにとってのスタートとなった。
そうしている間にも自体は着実に悪化の一途をたどっていた。
ダークチップとユナイトカード、そして違法な銃器がデンサンシティに蔓延し、警察が総動員して事にあたっている。
先日までも件数こそそれほど多くはなかったが、プライムタウンを周辺とした歓楽街といった場所で局所的に起こっていた。
だが今日になって規模が大幅に拡大し、街中の至る場所でもう収拾がつかない。
銃器を持った相手ならまだ可愛い
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