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嫌われの忌み子あれば拾われる鬼子あり
第1章 第3話 最強は鬼の足元
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よろしく頼むよ。ええと…?」

「ルイス、僕はルイスだよ。家名はないんだ…ここの皆さんはどうして鬼に対してそんなに友好的になれるか…」

「何でってそりゃ…何もして来ねぇ奴に勝手にこっちの事情で暴力振るったり、暴言吐いたりとかしねぇよ。少なくとも主含めたここにいる奴らはな、信じられねぇなら後で全員の前で聞いてみりゃいいしな」

「うん…でも、信じるよ」

「おう!」

と、良い笑顔をしサムズアップして返事をした。とても安心出来ると感じるのはその口調と仕草が兄さんに似ているからだろう…

「それで、何でさっき倒れたんだ?何かメルがやけに落ち込んでたぞ」

「それは…悪い事をした。後でメルには謝っておく……倒れた理由は、後で皆さんが集まっている時に話すよ」

「そうか、なんか訳あり見たいだな。なら待ってるよ夕食時がちょうどいいと思うぜ」

「うん…」

少し重い空気が流れた所で寝台から降りようとした時、部屋の外からエントランスの扉。つまりは玄関の扉を勢いよく叩かれる音がした。

「ん?何だよ喧しいな。もう少し優しく叩けよな壊れちまうだろうが」

とボヤきながらクリスは部屋を出て行く、それに続き僕とマリーも出ていく。エントランスには既にエグルさんが扉を開けて対応していた。白銀に輝いた立派な鎧を身に纏っていた人達…兵士達がいた。僕達が居たのは二階の客間だが、吹き抜けとなっている階段の所からはその話声が聞こえる。要件はこうだ。

「鬼を出せ」

どうやら村の方から街の方へ通達があったようだ。

「鬼がいるから退治してくれ」

と、

「お引き取り下さい。その申し出を受ける事は出来ません」

「どうしてですか?」

「彼は何もしてはおりません。彼はただ村で異変がある事に気づき善意で助けようとしただけです。むしろ何もしていない彼に対し蹂躙したのは村の方々です。謝罪される事はあれど謝罪する事はありません」

「しかし、村の人々は鬼が暴れたなど言っておられる」

「何度も言うようですが彼は何者だしていません。彼が言うのですそれは本当のこと」

「その鬼が嘘をついているという可能性は無いんですか?」

「鬼は嘘を吐か無いのです。それは気高い信念を持った鬼の逸話です」

「鬼だからといって例外はあるでしょう。もしかしたら彼が嘘つきな鬼かもしれないという事は考えられないんですか?」

と、周りにいる兵士とは雰囲気の違うおそらく隊長格の兵士が悪態をつきながら扉から入ってくる。

「私が彼の言葉を信じるのは鬼だから嘘を吐かないというだけではありません。彼は最初に来た頃とても怯えながら主人に連れられて来ました。怯えながらも顔を上げたその目はとてもまっすぐでした。私にはこのような彼は嘘な
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