253部分:第三十五話 持ち越される決着その七
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いる」
しかしシオンはここでまたこのことをシャカに告げた。
「御前がな」
「だからこその護りですか」
「そして常に数人の黄金聖闘士達がいる。皆に全てを任せる」
実に思い切った言葉であった。彼は聖域も己もその護りを全て彼等に任せているからである。
「全てをな」
「では教皇、私が」
「頼むぞ。それにだ」
「それに?」
「アーレス、そして狂闘士は多くの戦力で攻めることを好む」
彼が次に言うのはこのことだった。
「多くのな。暗殺も考えられるがそれよりも正面からだ」
「そのうえで戦いを挑むというのですね」
「私はそう見る」
これがシオンの読みであった。
「そうな」
「左様ですか」
「少なくとも暗殺で倒されるような者はいない」
シオンの読みにはそうした裏付けもあるのだった。
「黄金聖闘士にしろ」
「我々全員がですか」
「そうだ。そして私もだ」
シオン自身もだと言う。
「私もだ」
「そうですね。確かに」
シャカは世辞を言う男ではない。これはシオンの実力を知っての言葉である。シオンとてただ教皇になった男ではないのだ。先の聖戦で生き残ったアリエスの黄金聖闘士である。
「それは」
「だからだ。暗殺が通じる我等ではない」
シオンは確信していた。
「間違ってもな」
「だからこそ正面からですか」
「来る。そして我等はそれに備えてだ」
「正面から戦うというと」
「そういうことだ。ではそれでだ」
「はい」
「アフロディーテが戻り次第黄金聖闘士達を招集する」
再び彼等を集めるというのだった。
「すぐにな」
「それではそのように」
「そしてそのうえでまた集める」
こう話をしていくのだった。中国での戦いは終わった。しかしそれはまた新たな戦いのはじまりであった。今またそれがはじまろうともしているのだった。
第三十五話 完
2009・5・28
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