252部分:第三十五話 持ち越される決着その六
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第三十五話 持ち越される決着その六
「教皇、かつての冥皇ハーデスの軍勢ですが」
「冥闘士達か」
「そうです。彼等は不死だったと聞いています」
そのアーレスと縁の深い彼等のことである。アーレスとハーデスの関係は深い。アーレスはアテナとの戦いに敗れた時に冥界に逃れている程である。そして今も冥界の奥深くに封印されているというのである。
「ですから狂闘士達もまた」
「不死だというのか」
「若しくはアーレスの力により再び立ち上がる」
シャカはこうも言った。
「その可能性は否定できませんが」
「むう、そうだな」
シオンもシャカの言葉を聞いて静かに頷く。その表情は仮面の下に隠れており決して見えることはないがそれでもである。
「それはその通りだ」
「そうです。我々としてはアーレスの復活は何としても阻止しなければなりません」
これは言うまでもないことである。それも絶対にだ。
「ですがそれをどのようにしてするかは」
「それもまたわかってはいない」
「その通りです」
アーレスの復活を阻止する方法もまだ今一つわかっていないのである。
「どうもこうして戦っていること自体が妙ですが」
「トラキアの策に嵌っているというのか」
「そこまではわかりませんが」
また言うシャカであった。
「ですがそれでもです」
「戦わなくてどうにもならない」
シオンはまた言った。
「どうにもな。そして次の戦いはだ」
「はい」
「既に送るべき黄金聖闘士は定めている」
既に決定しているのだった。
「既にな」
「ではすぐにでも戦いに」
「その通りだ。戦いがまた行われる」
シオンの言葉は続く。
「すぐにな」
「わかりました。それでは」
「そしてシャカよ」
シオンはあらためてシャカに対して告げてきた。
「御前はだ」
「何でしょうか」
「このまま聖域の護りを頼む」
彼への言葉はこれであった。
「わかったな」
「わかりました。それでは」
「黄金聖闘士が一人出陣すればそれだけ聖域の護りが弱くなるのは確かだ」
これはまさにその通りだった。聖域の護りはそのまま黄金聖闘士に直結する。しかしである。彼等はこの度の聖戦では常に二人を出陣させている。その分の護りが必要なのである。
「だがそれを埋める為にはだ」
「私がですか」
「その通りだ。御前には聖域にいてもらわなければ困るのだ」
シオンは彼をあくまで聖域の護りと考えているのだった。
「何があろうとも」
「では私はこの聖域を」
「護るのだ。よいな」
「はい、それでは」
「狂闘士達は油断できぬ」
シオンは彼等を決して侮ってはいなかった。
「だからこそだ。備えは用意しておくことだ」
「そしてその備えこそがこのシャカであると」
「聖域の護りは御
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