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東方叶夢録
人里
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悪いことしたかも」
普段これ程までに大量に買い物することがなかったので加減が効かなかったらしい。少し反省してそろそろ迎えに行ってやらねばと腰を上げる。
「そういえば妖怪に襲われたりしてないわよね…昼間だし大丈夫よね…」
昼間とはいえここに来て間もない人間をお札も持たせず放置したのは不味いかもしれないと思う。
「嫌な予感がしてきたわね…」
霊夢は自身の感がよく当たることを知っているので少し急いで飛んでいった。

「嘘でしょ…」
そして感は当たってしまった。人里に近い森の中、周りの明るさを否定するかのように暗い空間が広がり止まっている。
「何であいつ…!」
それは宵闇の妖怪に向けられた言葉。霊夢からすればさほど脅威でもないが一般人からすれば十分過ぎる脅威だった。しかし彼女はあまり積極的に人を襲わないはずなのだが。
「とりあえず突っ込むしかないわね、生きててよ」
そう言って霊夢は闇の中に入っていった。

「相変わらず暗過ぎるわね…」
苦言を漏らしつつ目当てを探す霊夢。そしてようやく目当ての声が小さく聞こえてきた。
「むぅ、早くたべられてよー」
「嫌です」
2人分の声が聞こえてきて安堵する。そして少女の声がした方に弾幕を放つ。
「ぎゃ!?痛い!」
「ん?」
叶夢の不思議そうな声が上がる。
「ちょっと霊夢、邪魔しないでくれない?」
先程弾幕を放たれた少女が不服そうな声を上げる。同時に暗闇が消えた。彼女からすれば食事の邪魔をされたのだから当然だろう。そんな少女に向き合い霊夢は話し始める。
「あ、霊夢さん」
「いいことルーミア、よく聞きなさい」
声をかけたがスルーされてしまった叶夢。
「何よ」
「こいつを食べたら私があんたを殺すわ」
「物騒過ぎません!?」
霊夢が少女に条件付きの殺人予告をしたため叶夢はツッコミを入れざるを得なかった。
「えー、何でよ?」
「それは勿論お金のため…じゃなかった叶夢が私の同居人だからよ」
しかしツッコミをスルーされた上に新たにツッコミを入れたくなる事を霊夢は言った。
「うーん…私じゃ霊夢に勝てないししょうがないなー。それにそいつ凄く避けるの上手いし」
「聞き分けが良くて助かるわ」
そして交渉は成立したらしい。ツッコミをいれるタイミングを失ったため叶夢はため息をついた。
「ねぇ」
「はい?」
「貴方、名前は?」
少女が近づいてきてそう言ってきた。先程まで自分を追いかけていた正体が彼女だと言われてもあまり信じられない。
「冬宮叶夢です。貴女は?」
「私はルーミア。…じー」
名乗りを終えるとルーミアは叶夢を様々な角度から眺め始めた。
「えっと、何か?」
「うん、もう食べないように覚えておこうと思って」
「ルーミアさんも妖怪なんですか?」
「そうよ、宵闇の妖
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