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東方叶夢録
人里
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はなく叶夢の舌が貧乏なのだがそれに気づくよしもなかった。
間もなく霊夢の頼んだ品もやってきた。
「お待たせしました。三色団子と緑茶になります」
「ありがと。いただきます」
パクパクと団子が口に消えていく。その様子を見て叶夢は巫女さんに団子って映えるなぁと思っていた。
「ごちそーさま。叶夢、あんた何頼んだの?」
「みたらし団子2本ですね」
「おっけ……お代置いとくからー。帰るわよ叶夢」
「ありがとうございました!」
ここで叶夢は重い荷物を持ち帰ることを思い出しまたも気が重くなった。が、気が重くとも帰る以外に選択肢はないので我慢するしかない。
「よいしょっと……それじゃあ上白沢さん。さようなら。また会いましょう」
「ああ、人里に来れば会うことも多々あるだろう。寺子屋にも遊びに来るといい。それと私の事を呼ぶ時は慧音で構わない」
慧音に別れを告げ店から出る。やはり名前呼びを要求されるのでこれからはそうするべきかもしれない。郷に入っては郷に従えということわざに習いこれからはそうしようと叶夢は思った。
「あ、霊夢さん。買い物終わったから手伝ってくださいよ」
「あーはいはい。一つよこしなさい」
左手の荷物を差し出す。
「うわ、結構重いわね…」
霊夢はそこで初めて荷物の重さを知るのだった。
「んー…叶夢、私飛んで帰っていい?」
「はい?」
叶夢はこの時まだ霊夢が飛べることを知らなかったので何を言ってるのかわからなかった。
「荷物重いから飛んで帰るって言ったの。大丈夫、ちゃんと戻ってくるから。道がわかるなら歩いててもいいわよ」
そう霊夢は言ってふわっと飛んで行ってしまった。
「えー…」
取り残された叶夢は飛んでいく霊夢を呆然と眺めていた。下着が見えそうだったが見えなかった。
少しの間立ち尽くしていたが道は何となくわかっていたので進むことにした。

叶夢がしばらく歩いていると突然周りが闇に染まった。
「え?」
夕方を通り越して突然夜になったような感覚。辺りを見回すが暗くてあまり見えない。
「わはー」
「?」
聞こえたのは幼い女の子の声。先程までそんな気配はなかったがどこからか聞こえてくる。
「お腹空いてる時に人間が通りかかるなんて、私はついてるなー」
「えーと、どこにいるんですか?」
呼びかけてみても姿は見えない。
「それじゃ、いただきまーす」
「っ!?」
瞬間叶夢は自身に迫る死の気配に背筋を凍らせる。先日大きな口に食べられそうになった時の感覚が叶夢を襲う。
(八雲さん…妖怪って夜しか出ないんじゃないんですか…)
心の中で最後にここに来た元凶に恨み言を連ねるがもはや伝わることは無い。

「あー重かった」
霊夢は博麗神社について一息ついていた。
「こんな重いのずっと持たせっぱなしって…ちょっと
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