人里
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といいます」
「ああ、はじめまして。上白沢慧音だ。この人里の守護者と寺子屋の教師をやっている者だ。歓迎するよ、叶夢」
初対面だというのに苗字ではなく名前で呼んでくるのに少しの困惑を覚える叶夢。外の世界では苗字やあだ名で呼称することが多く名前で呼ばれる事はあまりなかったのだ。これも文化の違いというものだろうか。
(そういえば八雲さんや霊夢さん、射命丸さんとかもいきなり名前呼びでしたね…)
文化の違いを実感していると先程の店員がやって来た。
「お待たせしました、みたらし団子になります。ごゆっくりどうぞ」
「ありがとうございます」
注文の品が届いたので思考を中断する。
「お待たせしました慧音様、緑茶になります」
「ありがとう」
「ごゆっくりどうぞー」
ほぼ同タイミングで慧音の方にも届いたようだ。
「いただきます」
さっそく食べ始める。そして次の瞬間叶夢は今まで食べてきた団子との違いを思い知らされた。
「おお、凄く美味しい…焦げ目がついてて団子もみたらしも熱いです…」
「それって普通じゃないかい?」
緑茶を啜りながら慧音がツッコミをいれるが外の世界ではちゃんとした団子屋さんでないと熱い団子は食べられないのだ。近所に団子屋など無かった叶夢にとって熱い団子は初体験だった。叶夢は夢中になって食べていた。
「ふう…団子ってこんなに美味しかったんですね」
「外の世界では団子は珍しいのかい?」
「いえ、珍しくはないんですけど。ちゃんとしたのは珍しいと言いますか」
「ちゃんとしてない団子とはいったいどのようなものなんだ…?」
慧音はよくわからないといった顔をしていた。その間に叶夢は2本目に取り掛かっていた。
「しかし君が食べているのを見て私も食べたくなってきたよ。すまない、こっちにもみたらし団子を1本頼む」
「かしこまりましたー!…あっ、いらっしゃいませー!」
「緑茶と三色団子3本お願いねー」
「かしこまりました。少々お待ち下さい!」
霊夢が買い物を終えて戻ってきたようだ。慣れた風に注文し叶夢に近づいてくる。
「お待たせ叶夢……ってあれ、慧音もいたんだ」
「やあ霊夢。買出しかい?随分沢山買ったな」
「まーね。持って帰るのも一苦労だわ」
「あ、霊夢さん。お帰りなさい」
叶夢は既に団子を食べ終え水を飲んでいた。
「霊夢さん、幻想郷の団子って美味しいですね」
「そう?普通だと思うけど…」
普段から茶屋の団子を食べている霊夢からすれば普通のものでしかないのは当然だった。少し待っていると慧音が頼んだものが来た。
「お待たせしました。こちらみたらし団子になります」
「ありがとう……ふむ、確かに美味しいが叶夢が言うほど大層なものでもないと思うのだが」
「幻想郷ってグルメなんですね、和菓子は」
実際は幻想郷がグルメなので
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