人里
[1/6]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
「えーと、これとこれも。あとそれもお願い」
「おっ、えらく羽振りがいいな博麗の。何かあったのかい?」
「ええ、少し臨時収入がね。あ、それも貰おうかしら」
「こちらとしては商売繁盛で願ったり叶ったりなんだが…後ろの坊主、大丈夫か?」
「……いえ、大丈夫です。お気遣いありがとうございます」
現在冬宮叶夢は霊夢と共に人里へ来ていた。
(風呂敷を渡された時点である程度持たされるだろうなとは思ってましたけど……)
そして叶夢は今買った商品を詰めた風呂敷を持たされていた。しかも相当大きめのものだ。
「こんなものね。ありがとおじさん」
「毎度ありー!坊主も頑張れよ!」
「はい……」
両手が塞がっているので手を振ることも出来ず軽く頭を下げる。
「次で最後よ。頑張りなさい」
「いやいや、霊夢さんも少しは手伝ってくれてもいいんじゃないですか、これ」
叶夢がいっぱいまで詰め込んだ風呂敷を両手に持っているのに対し霊夢は手ぶらである。
「私が持ってたら買い物に支障が出るでしょ。全部買い終わったらちゃんと手伝ってあげるから辛抱して」
はぁ、とため息をつく叶夢。少し歩き目的地につく。
「んじゃ買ってくるからそこの茶屋にでも入ってなさい。適当に注文しててもいいわよ」
「はーい…」
言われた店に入り空いている席に座り一息つく。だがこの荷物を持って帰ることを考えると気が重くなった。
「いらっしゃいませー。ご注文は何に致しましょうかー」
「えっと……とりあえず冷たい水を貰えますか」
「あ、冷水ですね。少々お待ちを」
そう言って去っていく店員。叶夢はメニューを見て何にしようかと考える。一般的な和菓子が揃っており悩んでいると店員がコップを持って戻ってきた。
「お待たせしました。ご注文はお決まりですか?」
「んー…みたらし団子2つお願いします」
「かしこまりました。少々お待ち下さい」
迷っていたのでとりあえず無難なものを頼んでおくことにした。それに叶夢はスーパーのみたらし団子しか食べたことがなかったので少し手作りというものに期待していた。
「あ、慧音様。いらっしゃいませー」
「ああ、緑茶を頼むよ」
「かしこまりました。席にかけてお待ちください」
叶夢の次の来店客のようだ。
「……ん?」
ふと見るとその来店客は少し変わっていた。髪の色が青みがかかった白で特徴的な帽子を乗っけており、服は他の人と違い洋服を着ていた。すると視線に気づいたのかこちらを見てきた。
「何かついているかい?」
「ああいえ、そういう訳では…」
「ふむ、見ない顔だね。その格好もそうだし、もしかして外来人かい?」
外来人。外から来た人という意味である。叶夢がそう呼ばれたのは初めてだがそう察する事は出来た。
「はい、先日この世界に来ました。はじめまして、冬宮叶夢
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ