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渦巻く滄海 紅き空 【上】
百七 鬼が出るか蛇が出るか
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笑みを返した。

「でもそれは、紫苑様の望みにはそぐわないよ。彼女はそんなものを求めていない」
木の上から音も無く降り立ったナルトは、石で施された円陣をちらりと横目で見遣った。解っていて術を発動しようとしたのだろうけど、と前置きをあげてから、改めて口にする。


「紫苑様…紫苑は、足穂殿が生きてくれること、それを望んでいる」
「ちょっと待ってください」
話についていけず、白が思わず口を挟む。
自分と紫苑を先に行かせる為に追っ手を引き受けたナルトが今現在この場にいる事はもはや問わない。彼が此処にいるという事は、既に敵を迎撃したか、もしくは影分身かどちらかということだと、白は長年の経験から既に把握していた。

「一体、足穂さんは何の術を発動させようとしたんですか?」
白のナルトへの問いかけは、足穂自らが暴露する事で解き明かされた。


「…【影鏡身転の法】……鬼の国に伝わる秘術です」

【影鏡身転の法】――円形の陣の中で発動し、他人に変化する云わば変化の術。ただし、ただの変化とは異なり、声までも本人そのものとなり、その人物に成り切る術である。
初歩の部類に属する変化の術とは異なり、その者の身体を完全に他者の肉体に作り変えてしまう。つまり、一度、この術を使えば、もはや元の姿には戻れないのだ。

「そんな危険な術を…」
「紫苑様をお守りする事が出来るなら、この命、喜んで投げ打つ所存。だからこそ私は…」
「身代わりとして、死ぬつもりだった?」
ナルトの淡々とした声に、足穂は顔を伏せる。大きく嘆息したナルトは、白が背負う紫苑の姿を見てから、改めて足穂を見据えた。


「一度お伝えしたはずです。我々は敵に易々殺させたりしない。紫苑様も、そして貴方も」
「ですが…ッ」
「巫女を守り抜く事だけが貴方の存在する理由だとでも言うのならば、もう一つ存在理由を与えましょう――――白」
反論しようと口を開く足穂を遮って、ナルトは白に目配せした。

「以前、凍らせて丁重に保管するよう頼んでおいたモノがあるだろう?」
「え…あ!は、はい。直ちに」
一瞬戸惑った白はナルトの言葉にすぐさま思い出し、懐から巻物を取り出した。


ドスとキンとの邂逅で忘れかけていたが、木ノ葉滞在中の宿にて、ナルトに頼まれて氷遁で凍らせていた紙。


白に手渡され、巻物に保管していたその紙をナルトが見せれば、足穂の眼の色が一瞬で変わった。
「こ、これは…!?」
「知り合いのツテで手に入れた代物です」

紙を真剣に見つめる足穂を前に、ナルトは口許に微苦笑を湛える。寸前まで紫苑の代わりに死のうとしていた人間と同一人物とは思えないほど、足穂の眼は生命力に満ちていた。

「何故、貴方がこれを…!?それにどうして…ッ」
「詳しい話はこ
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