第13話 反英雄
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怒声を響かせると同時に一番近くに居たオートマタの核部分を思わず抜き取り、器を砕き飛ばした後核部分が爆発する前にかなり固まっている所に投げ入れて爆発させた。しかも全て無意識に。
その百代の怒声と無意識での器用な真似に驚いていた士郎だが、偶然にも認識阻害と睡魔の電波を発している空間を高層ビルの屋上の一つを士郎が捉えた。
(あれはっ!?)
しかもそこには誰かいる事にも気づいた。
つまり――――。
(目標発見!)
――――サーヴァントである。
これだけ広域の認識阻害と睡魔の電波らしきものを広めているとなれば、ただの魔術師とは考えにくく、大魔術師でも厳しいレベルの精度なのだ。
だがここで問題がある。
此処には百代が居て、ひょっとしたら自分についてくる可能性もある。
しかし言うまでも無く百代にサーヴァントを遭遇させるわけにいかない。
さて、如何したモノかと無言になる。
そんな士郎に如何したのかと、ある葛藤の末自分の胸の高鳴りを抑えていた百代が恐る恐る聞く。
「・・・・・・・・・如何した?」
百代が訝しむ様に聞いて来るので、虚実を織り交ぜた話をしようと決める。
――――今この町の異常は、以前話した裏社会のの者達が引き起こしていると。
――――このままではこの町が危険なのだが漸く元凶を発見したと。
――――しかし周囲に今も集まってくる人形たちを放置する訳にもいかないと。
そこまで言うと百代がなら簡単だろと言う。
「私が残ってコイツらを殲滅すればいいじゃないか?」
「いいのか?」
「町の危機なんだろ?それにどうせ私は守られるような性質じゃないからな」
「そんな事は無い!俺は何時だってお前の事を友人として大切だって思ってる!」
「っ!!?」
両肩を思い切り掴まれて真正面から百代を見ながら断言する。そのせいでお互いの顔が非常に近くなり、百代の胸の高鳴りがまた鼓動を早くさせる。
しかも普段はあまり見せない凄みのある真剣な表情の為、否が応でも頬が朱に染まっていく。
そして突如の口説き文句。不意打ちにも程があった。
「分かった、分かったから!」
「如何してそんなに慌てるんだ?」
「五月蠅い!!」
百代は誤魔化すように士郎を振り払う。
(全くコイツめ!油断してる所にあんなこと言ってケロッとしてるんだから、性質が悪い!!)
しかし言った本人は何故百代が頬を赤く染めているのかまるで分っていなかった。
(百代の奴如何したんだ?あんなに慌てて・・・・・・まあ、いいか)
「それじゃあ気を付けろよ?」
「分かったから早く行けッ!」
「頼む」
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