第13話 反英雄
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吸血鬼殺しのヘルシングの末裔殿と完璧執事殿と星の図書館殿の3人だけだろうが・・・)
星の図書館はまず削除する。昔は兎も角今は武闘派では無くなったからだ。
オートマタの壊れ具合から完璧執事も削除する。完璧執事の攻撃ならば砕くのではなく、鋼糸により切断されると言う結果になる筈だ。
そして消去法で言えばヘルシングの末裔の殺戮執事だが――――。
と考えた瞬間に士郎は心底驚いた。
オートマタの群れに囲まれている誰かが僅かなれど確かに見えたのだ。
此処に居るはずのない此処に居てはならない人物、川上百代その人であった。
(如何して百代が此処に居る――――いや、如何して起きていられる!?)
現段階での推測でしかないが、電波の届く範囲の唯人では全員寝ている筈。
なのに何故か百代は起きていて、剰えオートマタの群れに囲まれた中心で嬉しそうに戦っているのだ。
(百代に魔術回路は無い筈だが・・・・・・・・・・・・まさか!?)
−Interlude−
士郎の考えに納得のいく推測を出していた者が他所でいた。
川神市全域を殆ど見渡せる高層ビルの屋上にて、俯瞰していたオートマタをランダムに配置したとあるサーヴァントだった。
「川神一族だけでは無く、この国の重要な霊脈地に置かれている寺を守る血族たちは、かつては魔術師の家系だった。それが今では魔術回路が死滅したところは代わりに膨大な気を得た。そして中でも強大な気を操れるようになったのが川神一族だと聞いていたが・・・・・・・・・もし、もし川神百代に数の量は関係なくとも眠ったままの魔術回路があるのだとすれば理解できる。報告にあったガイアの使徒からの攻撃とその後の“彼”によって魔力を流し込まれた事により、無理矢理叩き起こされたのだとすれば納得は行く。いや、だがしかし、その推測を立てるにしても――――」
ブツブツブツブツブツブツと、呟いていた。
このとあるサーヴァントは一度自分の世界に入ると、周囲が見えなくなり声を掛けられてもぞんざいな扱いをすると言う生前からの欠点がある。
それは今も治っておらず、視界には入っているが川神百代もその周辺も見えはいなかった。
その事が幸いして気づかれていない士郎は、奇しくも同様の推測に至ったが自分がこの状況で如何するべきか悩んでいた。
(今この格好で助太刀してもその後が大変だ。ハサンの仮面とフードで貌を隠すか?いや、だがそれでは百代の説得が出来な――――)
士郎は悩んでいたにも拘らず、体が勝手に咄嗟に動いてしまった。
戦闘中の百代の背後から迫るサイレントオートマタの斬撃で、たたっ斬られそうな光景に我慢できずに。彼女に瞬間回復と言う技がある事も忘れて。
「――――百代ッ!!」
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