暁 〜小説投稿サイト〜
STARDUST唐eLAMEHAZE
第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#2
STRENGTHU 〜Steel Gigas〜
[8/9]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
AAAAAAAAAAAAA――――――――――――!!!!!!!!!!!!!」
 シャナの怯える仕草に感興をそそられたのか、醜獣が甲高い雄叫びをあげる。
 もう次の瞬間には襲い掛かられるという絶体絶命の状況下、
少女の脳裡に浮かぶ一つの存在。
 その青年の為に。
 絶対に護らなければならないものの為に。
 フレイムヘイズとしてではなく “空条 シャナ” として。
「助けてッッ!! 承太郎ッッ!!」
 あらん限りの想いを込め、空間に舞い散る雫と共に少女は叫んだ。
「おい?」
 少女の切望が終わるよりも速く、既に発せられていたクールな声。
 醜獣が反射的に背後を向いた刹那。




 ドグォンンンンンッッッッッッ!!!!!!



 剣呑な視線の貴公子が、握っていた鉄塊を微塵の容赦もなくその頭部に叩き落とした。
「GYYYYYYYYYYYYYYNYAAAAAAAAAAAAAAAAA
AAAAAAAAAAAA―――――――――――――――!!!!!!!!!」
 やはり人とは非なる悲鳴と血飛沫をあげながら吹っ飛ぶ獣。
 そこに。
「コレはテメーの錠前だろうが……」
「ゴブゥッッッ!!?」
 己のド(タマ)をカチ割った鉄塊が、ドテッ腹に高速で投げ込まれた。 
「承太郎ッッ!!」
「いつでも呼べって言っただろう」
 歓喜の声をあげるシャナに、承太郎は指先を傾けただけの素っ気ない仕草で応じる。
 口元に、自分の一番大好きな微笑を浮かべて。
「本体」 がダメージを受けた為、一時的に解除されるスタンド能力から解放された少女は、
そのまま戦場という事も忘れて青年の胸に飛び込んでしまう。
「おいおい」
 渾身の一撃を叩き込んだとはいえ 「再起不能」 にしたわけではないので、
彼女の行動を柔らかく窘める無頼の貴公子に、
「承太郎……私……怖かった……」
星形の痣が刻まれる首筋に両腕を絡め、
紅髪の美少女は震える口唇でそう呟いた。
(やれやれ……)
 未だ危難は去っていないのだが、
まぁいいかという彼らしくない楽観的な思惑の許
承太郎はシャナの炎髪を優しく撫でた。    
「シャナ、窮屈だ」
 極限状況の邂逅の中、色々な意味で面白くないアラストールが厳格な声を籠もらせる。
「あ! ご、ごめんなさい!」
 完全に二人の世界に入っていた為、
迂闊にもその存在を忘れていたシャナが
承太郎の胸元から降りる。
 二つの美香に挟まれた神器 “コキュートス” は、
その密着が強かった所為か得も言われぬ芳香を放っていた。
「一応、礼は言っておくか。よく駆け付けてくれたな、空条 承太郎」
「何となく、イヤな予感がしたんでな。
それに敵が狙うなら、オレじゃなくシャナからって気もしたしよ」
 
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ