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STARDUST唐eLAMEHAZE
第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#2
STRENGTHU 〜Steel Gigas〜
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そして己の知性の高さと能力を見せつけるように、
古びた辞書を開いて少女に向けた。
 ささくれたページに記載されていた語句は、
『Strength』 
 獣毛にまみれた太い指が紙の上をなぞり、その9番目の意味を指し示す。
 H:タロットカードで、8番目のカード。
   挑戦、強い意志、秘められた本能を暗示する。
「くっ……!」
 解っていた事だが、それでもやはり衝撃を受けた。
 目の前に立つこの猿は、
忌むべき “アノ男” が差し向けた4人目 (?) の刺客。
 海路を選択した事により敵の襲撃は格段に減ったと想っていたが、
それを易々と見過ごすほど相手は甘くなかった。
 否、既に予測された上このルートで網を張られていた公算が高い。   
 絶対に助けがこない、この蒼き蟻地獄の直中で。
「あぁッッ!!」
 脳裡に甦るアノ男の妖艶な微笑に
怒りのメーターが振り切れたシャナの裡で炎気が爆発し、
大刀を握ったままの右腕が逆コの字に曲がった鉄パイプを
暴力的な破壊音と共に抜き出す。
 しかし獣の一睨み。
「――!!」
 湾曲した鉄パイプが二連に分かれ、溶接するように手首と肘関節に絡み付き、
力の起点を封じられる。
 パイプから白煙を噴き出しながら、醜獣は勝ち誇ったように嗤った。
(全然……動けない……! 微動だに……出来ない……ッ!)
 鋼鉄に磔られたまま、この窮地を如何に打破するか少女は思考を巡らせる。
 紅蓮の双翼をフルパワーで展開させ背後の鉄を融解させるか、
それとも焔儀でこの猿を骨まで焼き尽くすか(防御はするだろうが)
 何れにしても力を溜める為ダメージは覚悟しなければならないと心を定めた瞬間、
その獣の次の行動は、あらゆる意味でシャナの予測を覆した。
「……」
 醜い体毛で覆われた指先を、自分の左胸の延長線上にピタリと合わせ
そのままゆっくりと近づけてくる。
(な、何?)
 当然攻撃がくるものと思い込んでいた少女の思惑を外れ安堵するのも束の間、
すぐにそれとは別の “ソレ以上の” 危機感が全身を貫く。
(ま……まさ、か……こいつ……! まさか……ッ!?)
 獣欲で滾った瞳、生殖に伴って発せられる分泌物の匂い、
己が眼をつけた “雌” を、自由に出来るという愉悦。
 今まで培った戦いとは全く異質の脅威が、目の前に差し迫っていた。
(あ……あ……ぁ…………ゃ……)
 現実を明確に認識できない為頭の中が真っ白になり、
抵抗する事も忘れただ小首を振るだけの少女。
 死は常に覚悟の上、如何なる苦痛にも屈しないフレイムヘイズ。
 しかし 『死ぬよりも怖ろしいコト』 など、
この世には腐るほど存在する。
「OOOOOOOOOOOOOOOOOOOOGAAAAAAAAAAAAAA

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