第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#2
STRENGTHU 〜Steel Gigas〜
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執に取り憑かれた者が創った仮初めの城だ。
彼の 【殺戮の三狂神】 への対抗勢力という側面も在るがな。
しかし創られてすぐ、数多のフレイムヘイズの 「兵団」 によって壊滅された為、
歴史の記録には残らなかった。
そこに先述の一人 “冥獄” の介入が在ったとも聞くが、定かではない」
「祭礼の……蛇……」
珍しく承太郎が、感情を露わにその瞳を尖らせたので隣を歩くシャナが訊く。
「どうしたの? 遙か昔に討滅された王がそんなに気になる?」
「そうじゃあねぇが、何となく 『DIO』 のヤローに似てると想ってよ。
ンな大袈裟なモン創り上げて一体何企んでやがったのかしらねーが、
まぁブッ斃されたんならそれでいいさ」
「ふぅん」
もしかして “生きていたなら” 自分が斃すつもりだったのかなと、
彼の強い正義感を誇らかに想うシャナの胸元で、
(討滅、か……そう云って差し支えないだろう。
喩え如何なる者であろうと、「彼の地」 から還るコトは決して出きん。
現世と紅世の永劫空間、『久遠の陥穽』 からはな……)
アラストールが冷たい追想と共に呟いた。
「別れ道、ね」
薄暗い通路を数分進んだ後、
先が闇に霞んで見えない直路と下層へと続く階段が左側に見えた。
「別るか?」
単独行動はリスクが増す事になるが、
目的は未だ見ぬ敵を誘き出す為なのでソレは互いに覚悟の上。
「そうね。流石にこれだけ広いと、手分けした方が合理的よね」
「じゃあオレはこっちだ。お互い生きてたらまた会おうぜ」
承太郎はそう言うと、左方の階段へと片手を挙げて行ってしまう。
「……」
何となくそっちの方へは、不気味だから気が進まなかったので
それを買って出てくれた無頼の貴公子へ密かに感謝しつつ少女は通路を先に進んだ。
(――ヒヒッ)
その時、己の背後頭上から、奇怪な声が聞こえた、ような気がした。
「――ッ!」
咄嗟に振り向くが、今まで歩いてきた通路が茫漠と広がるのみ。
「アラストール、何か言った?」
「いや、我は何も発しておらぬが」
なら気のせいかと、少女は再び通路を歩き出す。
まさか “天壌の劫火” のフレイムヘイズ足る自分が、
巷の小娘のように怯えているわけではないだろう。
現に大の男でも逃げ出すような(現に逃げ出した者が約一名いるが)
暗がりの探索を、彼女は冷や汗一つかかずここまで続けてきている。
しかしソレとは別の異様な気配を、首筋にねっとりと絡みつくような怖気を
少女は確かに感じていた。
「……ここは?」
周囲を警戒しつつ、やがて辿り着いた突き当たり。
開いたドアの中は横に長い空間の、
幾つもの仕切で区切られたシャワール
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