第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#2
STRENGTHU 〜Steel Gigas〜
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レフが座った視線で見据える。
「フム、しかし一番合理的な人選じゃな。
仮に敵が複数同時に襲ってきても、
『スタープラチナ』 ならそう簡単にやられはせんじゃろう」
「うむ。陽動に於いて最も重要な状況の洞察、経路の判断、それに咄嗟の機転、
諸々総合すると確かに適任だな」
反対する二人を後目に、年長者二人が従容とした声をあげた。
「決まりだな。じゃあ一度甲板に戻って、ルートと連絡方法を相談しようか」
それ以上意見が出る前に話を決し、承太郎が背を向けた瞬間、
「待って!」
空間に響き渡る凛然とした声。
「私も行く」
確乎たる意志を瞳に宿してシャナが言った。
再び一点に集まる視線の背後で、欲望に濁った瞳が笑みの形に歪んだのを、
この時誰も気づいてはいなかった。
【2】
(いいか? 決して無理はするな。
気配だけでいい。敵がいると認識したら、すぐに携帯で連絡するんじゃ。
後は全員でそのエリアを虱潰しに探せば良いだけだからな。
敵もこちらもチームで動いているというコトを、忘れてはならんぞ)
何層にも及ぶ深い船体内部へ潜入する際に
ジョセフから受けた言葉を反芻しながら、
青年と少女はエンジンルームへと続く薄暗い通路を歩いていた。
カツコツという独特の金属音、
一応照明は通っているが機械と同じく旧式のものなので
光源と呼ぶには暗過ぎる。
「別に無理して付き合わなくても良かったんだぜ」
「うるさいうるさいうるさい。おまえ一人じゃ不安だから付いてきたの」
互いに前を向いたまま、雑談まじりに二人は言葉を交わす。
時々想い出したように立ち並ぶ船室のドアを開け、
適当に家探しした後また通路に戻る。
あくまで目的は 「陽動」
相手にそう思い込ませる為には目立ち過ぎず、
尚かつ不自然ではない程度に探索を繰り返さなければならない。
「ジョセフ達の方は、上手くいってるかしら?」
「サボってやがったらどーする?」
「三日間食事抜きよ。あの銀髪」
申し合わせたわけではないが演技も忘れず、二人は通路を進んでいく。
「はぁ、こんな時 “玻璃壇” でも在れば、苦労せずに済むんだけど」
「あ?」
「遥かな昔 “祭礼の蛇” という強大な王によって創られた監視用の宝具だ。
己の作った都 『大縛鎖』 を見張る為に創造したモノらしい」
少女の言葉に疑念を発した青年にアラストールが答えた。
「……都? 人喰いのバケモンが、ンなもん造れんのかよ? っと、すまねぇ」
「よい」
青年が紅世の徒スベテを敵視していないコトは充分知っている為、
アラストールは穏やかに応じ続けた。
「己が権能に耽溺し、「支配」 という妄
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