暁 〜小説投稿サイト〜
『チロの物語』
『誕生』

[2]次話


僕はノラ猫。

何処で産まれて
誰がお母さんか
わからないんだ。

気付けばひとり。
寒い寒い冬の日。
雨が小さい躰に
追い打ちをかける。

僕は死を覚悟した。

きっと産まれて
そんなに
日が経ってない。

だって僕の躰は
其処に居る
誰よりも小さい。

おなか空いた。
寒い。
でも眠たい。
でも...
おなか空いた。

意識が遠のく。
僕はきっともう
死んじゃうんだ。



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