第6部 贖罪の炎宝石
第3章 病
[9/9]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
「ウルキオラさん」
カリーヌの声で、場は一瞬緊張した。
「なんだ?」
「ルイズの出征についてです」
それを聞いたルイズは身体をぴくっと震わせた。
「ルイズの出征を認めましょう」
「ちょっと!母様!本気ですか!?大体ルイズは……」
「話は最後まで聞きなさい、エレオノール」
エレオノールはしゅんっと小さくなる。
「しかし、条件があります」
「条件だと?」
ウルキオラは冷徹な声を発した。
「あなたの実力を示してごらんなさい」
「どういう意味だ」
カリーヌが微笑した。
「つまり、私と決闘しろということです。あなたが私に勝てたら、ルイズの出征を認めましょう」
「それはダメです!母様!」
ルイズがバッと立ち上がった。
「ウルキオラの戦闘能力は異常ですわ!戦ったら母様が無事じゃ……」
しかし、ルイズの言葉は遮られてしまった。
「あら、ルイズ。私の二つ名を忘れたのですか?それに私はスクウェアメイジです。遅れは取りませんわ」
それを聞いていたウルキオラは少し興味が出た。
今までのスクウェアクラスのメイジといえば、あのワルドくらいであった。
最強のメイジの実力を見ておいて損はないと思った。
「いいだろう。受けてやる」
ウルキオラの言葉に、ルイズはさらに戦慄した。
「ちょっと、あんたね!」
「心配するな、殺しはしない」
それにカリーヌが反応する。
「あら、その言葉、そのままお返しいたしますわ」
カリーヌは笑っていたが、それは美しい笑いなどではなかった。
獲物を狩る目をしていた。
それに公爵すらも恐怖する。
ウルキオラはこのとき、まさか自分が追い込まれることになるなど、想像すらしていなかった。
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ