第6部 贖罪の炎宝石
第3章 病
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った。
ヴァリエール家族とウルキオラ、シエスタであった。
シエスタは、先ほどダイニングルームから退出した際に、合流した。
どうやら、昨日の酒がまだ抜けていないのか、少し調子が悪そうだった。
「ウルキオラさん、これ、どこに向かってるんですか?」
「直にわかる」
会話はそこで途切れた。
着いた場所は、豪勢な城と中庭には似合わない、ボロ屋であった。
公爵がアンロックの魔法を唱えると、ボロ屋の鍵がガチャンと外れた。
その後、カリーヌが同じように魔法で扉を開く。
一気にボロ屋内の空気が漏れだす。
埃っぽい空気に、ルイズとエレオノールは思わずせき込んだ。
7人は、そんなボロ屋へと足を踏み入れた。
ウルキオラとルイズ、シエスタ以外の4人がライトの魔法を使い、暗闇を照らした。
すると、その明かりに、何か赤い塊が照らされた。
「これが、我がヴァリエール家に伝わる骨董品、鉄の馬じゃ」
次いでカリーヌが口にする。
「最初はただの箱と思っておりましたが、中々に精巧な作り。なにか秘密があるのではと調べてはみたものの、何もわかりませんでした」
ウルキオラは絶句した。
思わず目を見開く。
この世界にはあるはずのないものであった。
シエスタは興味津々とその鉄の馬を撫でている。
そう……あの時と同じであった。
タルブの村でゼロ戦を見た時と同じ。
それと同義のものが、今ウルキオラの目の前に鎮座していた。
「これは……」
ウルキオラは小さく呟く。
そんなウルキオラを見て、ルイズは不審に思った。
「どうしたの?ウルキオラ……」
しかし、そんなルイズの言葉など耳には入っていなかった。
シエスタが気づく。
「もしかして、これもウルキオラさんの人間の世界のもの?」
シエスタは言葉に詰まりながら答えた。
「ああ、そうだ…」
カリーヌが口を開く。
「あなたの世界のもの?なるほど。ならば全て合点がいきますわ」
「ふむ、まさかこの鉄の馬がウルキオラの世界のものだとはな」
公爵が顎を撫でながら言った。
「これは、『鉄の馬』という名ではない」
「では、なんといいますの?」
エレオノールが問うた。
「これは……『車』だ」
「車?」
カトレアは首を傾げた。
「この世界で言うところの『馬』だ……」
「へえ、馬ってことは、これは走るんですか?」
シエスタは目を輝かせた。
ウルキオラは公爵に目を向けた。
「これは何時からここに?」
公爵が申し訳なさそうな顔をした。
「悪いが、儂が物心ついた頃にはここにあった。骨董品とはいえ、皆、た
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