第6部 贖罪の炎宝石
第3章 病
[5/9]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
定した。
「治療の時間が長くなるといっていたけれど、どのくらいなの?」
エレオノールが怪訝そうにウルキオラに質問する。
「そうだな。まあ、半日といったところか」
その言葉に、皆が絶句する。
どんなに優秀な水の使い手でも、小一時間も治療を続ければ、すぐに魔力切れで意識を失う。
それを、半日も行うなど、まさにクレイジーなものだった。
「半日もあなたは大丈夫なのですか?」
「問題ない」
カリーヌに疑問をすぐさま打ち砕く。
ウルキオラは、差している斬魄刀とデルフを椅子に掛ける。
「やるぞ」
ウルキオラはカトレアの腹部の辺りに両手を添える。
手には緑色の魔力が発言する。
最初は心配そうに見つめていたルイズたちだが、カトレアがいつも通りに会話をしているのを見て安心した。
これを機に、ウルキオラにとって初の『治療』と、このハルケギニアに来て初めての大きな霊力の消費が始まった。
治療は13時間にも及んだ。
既に深夜の時間帯であった。
ウルキオラは休むことなく、カトレアの治療にあたった。
ルイズたちは、入退出を繰り返しながらも、カトレアの様子を随時心配していた。
カトレアは最初の4時間は目をあけていたが、その後は目を閉じていた。
治療は大成功であった。
カトレアは、治療後20分ほどで起きた。
起きてからというもの、身体はすこぶる調子がよく、ジャンプをしたり、回って見せるなど、普段のカトレアからは想像もつかない行動をした。
ウルキオラは、カトレアに魔法を使用するように命じた。
言われたとおりに魔法を使用するカトレアであったが、いつものような痛みはなかった。
それを見ていたカリーヌは、思わず涙をこぼした。
ここは、ダイニングルーム。
いつものように晩餐会が開かれていた。
いつもなら、食べるのを断るウルキオラであったが、多少霊力を消費していたので、もらうことにした。
そうして食事をしていると、上座に座っている公爵が徐に口を開いた。
「ウルキオラよ」
その一言で、ルイズたちの手が止まる。
しかし、ウルキオラは手を止めることはしなかった。
「なんだ?」
「カトレアを治療してくれたこと、心より感謝いたす」
公爵は深々と頭を下げた。
それを見ていたルイズたちや、召使は大いに驚いた。
国を代表する、名家の当主が、身分上では平民に頭を下げていることがあり得なかった。
しかし、それを横目で見ていたカリーヌは、同じようにウルキオラに頭を下げた。
「礼ならルイズに言え」
「え?」
思わぬ言葉に、ルイズは驚いた。
「俺は別に
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ