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テイルズ魔術をプリヤ世界にぶちこんでみたかった。
慢心
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もに食らって早々立ち上がれるものではないはずだ。

「言われた通りだ」

「うんっ! ルビー、えっと……なんかため技みたいなやつ!」

『あいあいさー! 充填(チャージ)……完了! オールグリーン!』

「『灼熱の軌跡を持って、野卑なる蛮行を滅せよ!』」

 一撃で仕留める。その気概が僕らに共通していて、己の魔力を更に励起させるのには十分な思いだった。

「放射(フォイア)!」

「【スパイラルフレア】!」

 そうして破格の威力を持つであろう桃色の閃光と、触れるものを塵に変えるほどの熱量を持つ炎塊が同時に放たれる。 先に着弾するのは速度と貫通力に優れているイリヤスフィールの砲撃が着弾、それに続いて火力と攻撃範囲に優れた僕の火の魔術弾が淀みに追い討ちをかける。

 イリヤスフィールの純魔力である攻撃は奴の防御を無視して直接のダメージを与えられるらしい。そして僕の魔術もまた奴の防御を一切合切無視して直接的に被害を追わせることができる。貫通力と爆発力によるWキラー。相手は死ぬ。

 ――やったのか?

 マジカルステッキだのとほざく杖は何も喋らない、遠坂凛もまた同じ。そうして僕らはどちらからともなく互いの顔を見合わせて。

「「……だぁ〜〜……」」

 思いっきり脱力した。どうやら、なんとか勤めを果たせたようだ。いや、僕に課せられたわけではなかったから、僕がしたことはただのお節介かもしれないが。それでも目的を達したことに変わりはない。土壇場の継承であったから完璧に出来ているかどうかの不安はあったが、三四発程度ならまだ問題はないらしい。それ以上はどうなるのかと言われると、検証が必要となるだろうが。

「お疲れ様〜……」

「ああ、お疲れ……」

 そうして互いに労りながら地面に座り込んで間もなくのことであった。土という感触のある地面に、まるで割れ物のようなヒビが入ったのだ。それからは地面だけでなく空や果てには校舎までピシリピシリと音をたてて割れていく。

『あらー、原因を取り除いたようなので鏡面界が閉じようとしているようですねー』

「何ですって!? じょ、冗談じゃないわっ。そこの二人っ、へばってないでさっさとカードの回収をしなさい! 鏡面界の崩落にカードが巻き込まれちゃ本末転倒よ!」

「そ、そういう説明はもっと早くにしてよ〜!」

「あれ、もうボケてるんじゃないか……?」

 しかしそれでも自分で取りに行こうとしない辺り流石である。僕は体がもう怠惰に包まれているのでどうもする気が起きない。大人しくイリヤスフィールに任せよう。あの粉塵の舞う場所で土ぼこりまみれにもなりたくないし、な――――?

「……冗談キツいぞ」

 その時、僕は見てしまった。欠損した体で確かに立ち、僕
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