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Blue Rose
第二十六話 退所その四

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「教育にはならないわ」
「絶対にですね」
「だから蓮見さんの部活の先生達は正しいわ」
「失敗してもいいんですね」
「そう、失敗を認めて」
「次にそれを生かす」
「それが大事なのよ」
 それこそがというのだ。
「まさにね」
「そうなんですね」
「そうよ、後ね」
「後?」
「高校でも本当にいい部活に入ってね」
「それで、ですね」
「楽しんでね」
 優しい、穏やかな声だった。
「そうしてね」
「わかりました」
「美術部でも他の部活でもね」
「いい部活に入ってですね」
「楽しんでそして人生の糧にしてね」
「部活はそうした場所ですね」
「そう、楽しんで人生の糧を手に入れる場所よ」
 決して苦行の場ではないというのだ、一方的な暴力に耐えたり不快な思いをしてまで続ける場所ではないというのだ。
「そうなのよ」
「そうなんですね」
「ただ、家事もあるわね」
「一人暮らしですから」
「そっちの方で忙しいかしら」
「何とか部活もしたいですね」
「生活を優先させてね」
 自分のそれをというのだ。
「いいわね」
「わかりました、それじゃあ」
「生活が第一だからね」
「部活よりもですね」
「何といってもね」
「一人暮らしだと余計にですね」
「そう、何かとすることがあるから」
 だからというのだ。
「そちらを第一にしてね」
「一人暮らしも大変なんですね」
「特に慣れるまではね、戸締りのこともあるし」
「女の子の一人暮らしは戸締りもですね」
「注意しないといけないのよ」
「何かあると駄目ですね」
「そうね、用心の為にスタンガンとか金属バットとか置いておくといいわね」
 副所長は優花のことを考えてそうしたものを話に出した。
「スタンガンで駄目ならね」
「金属バットですか」
「あれは振り回しただけでかなりいいから」
「護身になるんですか」
「頭に当たったら下手したら死ぬわよ」
 まさに文字通りにというのだ。
「だから部屋に誰か押し入ってもね」
「そのバットで攻撃すればいいんですね」
「あれは誰でも使えるし」
 その手に持てばだ。
「威力も高いから」
「頭に当たれば死にかねない位に」
「だからお部屋に置いておいてね」
「護身用にですね」
「夜はカーテンを閉めて鍵もね」
「ドアも窓も」
「ちゃんと鍵をかけておいてね」
 戸締りも忘れるなというのだ。
「自分の身を守るのは自分自身だから」
「細かく気をつけてですね」
「そうしていってね」
「わかりました、そうします」
「スタンガンと金属バットは私がいいのを贈るから」
「えっ、くれるんですか」
「ええ、実は私三つずつ持っていて」
 それでというのだ。
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